こんにちは。人生の後半を穏やかに整えるヒントを発信している、中山眞治です。

50代を過ぎるころから、「以前より友人と逢う機会が減った」「気軽に話せる人が少なくなった」、と感じることはありませんか?
若いころは、学校や職場、子どもを通じた付き合いなど、意識しなくても人と出逢う機会がありました。しかし、人生の後半になると仕事や家庭環境が変わり、それまで続いていた人間関係にも少しずつ変化が表れます。
だからといって、友達をたくさん作らなければならないわけではありません。大切なのは、友人の「数」を増やすことではなく、あなたにとって無理のないつながりを持つことです。
そして、一人で過ごす時間も楽しみながら、必要なときには誰かと話したり、支え合ったりできる関係を少しずつ育てていくことが必要ではないでしょうか。
この記事では、人生の後半に友人関係が変化する理由から、孤独との上手な付き合い方、新しい人間関係を作る具体的な方法まで、これからの人生を心地よく過ごすための、「つながり」、について考えていきます。
それでは、早速見ていきましょう!
なぜ人生の後半になると友人関係が変わっていくのか

50代以降になると、「昔の友人と疎遠になった」「以前ほど人と逢わなくなった」、と感じる人が増えてきます。
長く付き合っていた友人と逢う回数が減ると、「自分だけ取り残されているのではないか」、と不安になることもあるでしょう。しかし、人生の後半に人間関係が変化することは、決して珍しいことではありません。
仕事、家庭、親のこと、自分自身の暮らし方など、年齢を重ねるにつれて、一人ひとりの生活環境は大きく変わっていきます。それに伴って、人との付き合い方が変わることも自然な流れです。
まずは、なぜ人生の後半になると、友人関係が変わりやすいのかを知っておきましょう。
本章では、50代以降に起こりやすい人間関係の変化を4つの視点から考えていきます。
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仕事を通じた人間関係が少しずつ減っていく
社会人になると、多くの人が一日の大部分を職場で過ごします。同僚や取引先など、毎日のように顔を合わせる人がいるため、本人が意識していなくても、仕事は大きな「人との接点」になっていくのです。
ところが50代以降になると、その環境にも少しずつ変化が表れます。役職定年や転職、働き方改革、そして定年退職などによって、それまで当たり前だった人との交流が減っていくことがあります。
ここで注意したいのは、「職場で親しくしていた人=仕事を離れても付き合いが続く友人」、ではないというです。
仕事という、共通の目的があったからこそ、成り立っていた関係でもあります。退職した途端に連絡を取らなくなったとしても、それまでの関係が偽物だったわけではありません。
その時期の人生に必要な大切な関係だった、と考えることもできます。むしろ人生の後半では、職場という枠から離れたあとに、「これから誰と、どのようにつながっていきたいのか」、を考える機会が訪れるのです。
家庭環境や生活リズムの違いで友人と疎遠になる
同じ年代の友人であっても、50代以降の生活は驚くほど違ってきます。
仕事を続けている人もいれば、早期退職する人もいます。親の介護に時間を使っている人、子どもの独立を迎えた人、夫婦二人の生活になった人、一人暮らしをしている人など、それぞれが異なる環境の中で暮らしているのです。
すると、それまで気軽に逢えていた友人同士でも、予定が合わなくなります。「今度、食事でもしよう」、そう話していても、お互いの都合が合わず、気がつけば一年以上逢っていなかったということは珍しくありません。
しかし、逢う回数が減ったからといって、必ずしも関係が悪くなったわけではありません。人生の後半では、「頻繁に会うこと」、だけを友人関係の基準にしないことも大切です。
数か月、あるいは一年ぶりに逢っても自然に話せる。ときどきメールやメッセージを送り合える。そんな緩やかな関係も、人生の後半には心地よい友人関係の一つになります。
若いころと同じ付き合い方を続けようとするのではなく、お互いの暮らしに合わせて関係の形を変えていくことが、長い付き合いにつながっていくのです。
年齢とともに「付き合いたい人」が変わってくる
年齢を重ねると、人間関係に求めるものは、少しずつ変化していきます。
若いころは、大勢で集まったり、新しい人と次々に知り合ったりすることが楽しかった人でも、50代以降になると、「気を使わずに過ごせる人と付き合いたい」、と感じるようになることもあるのです。
これは、人付き合いが苦手になったということではありません。自分が大切にしたい時間や価値観が、以前よりはっきりしてきたからとも考えられます。
たとえば、いつも相手に合わせなければならない関係や、逢うたびに自慢話や愚痴ばかり聞かされる関係に、以前ほど時間を使いたくないと感じることもあるでしょう。
一方で、共通の趣味について穏やかに話せる人や、お互いの考え方を尊重できる人とは、「これからも付き合っていきたい」、と感じるかもしれません。
人生の後半では、すべての人間関係を維持しようとしなくてもよいのです。限られた時間を誰と過ごしたいのか。その基準が変わることで、人間関係が少しずつ整理されていくのも、年齢を重ねる中で起こる自然な変化といえるでしょう。
友達が減ることを必要以上に恐れなくていい
友達が減ってくると、「このままでは一人になってしまうのではないか」、と不安になることもあるでしょう。
とくに、周囲の人が、友人との旅行や食事を楽しんでいる姿を見ると、「自分には付き合える人が少ない」、と寂しく感じることもあるではありませんか?
しかし、友人の人数と人生の豊かさは、必ずしも比例するものではありません。大勢の知り合いがいても、悩んだときに話せる人が一人もいない場合もあるでしょう。
反対に、友人は数人しかいなくても、その関係を心から大切にできている人もいます。人生の後半では、「何人の友達がいるか」よりも、「どのような関係を持っているか」、に目を向けてみることが大切です。
また、これまでの友人関係が希薄になったからといって、これからの新しいつながりが生まれないわけでもありません。
趣味を始めたり、地域の活動に参加したり、学びの場へ出かけたりすることで、50代、60代、さらにその先になってからでも、新しい人と出逢えることもあります。
今ある友人関係を大切にしながら、新しい出逢いにも少しだけ心を開いておく。そのくらいの気持ちでいることが、人生の後半の友人づくりにはちょうどよいのではないでしょうか。

人生の後半に友人関係が変わるのは、生活環境や価値観が変化する中で起こる自然なことです。友達が減ったことを必要以上に恐れず、これからの自分に合った人間関係を考えるきっかけにしていきましょう。
一人でいることと、「孤立すること」は同じではない

「老後、一人になったらどうしよう」、人生の後半になると、そんな不安を感じることがあるかもしれません。しかし、一人で過ごす時間が多いことと、社会の中で孤立してしまうことは、必ずしも同じではありません。
一人で本を読んだり、散歩をしたり、好きな趣味に取り組んだりする時間を心地よく感じる人もいます。反対に、大勢の人に囲まれていても、「自分のことを理解してくれる人がいない」、と孤独を感じることもあります。
大切なのは、「一人でいるかどうか」だけで判断するのではなく、自分がその状態をどのように感じているかです。人生の後半の友人づくりを考えるうえでも、まず一人の時間と孤立の違いを知っておく必要があるのです。
本章では、孤独を必要以上に恐れず、一人の時間と人とのつながりを無理なく両立させる考え方について見ていきます。
一人の時間を楽しめることは人生の後半の強みになる
若いころは、学校、仕事、家庭など、自分以外の誰かに合わせて生活する時間が多かった人もいるでしょう。ところが人生の後半になると、少しずつ自分のために使える時間が増えてくるのです。
そのとき、一人で過ごすことを「寂しい時間」と考えるか、「自分の好きなことができる時間」、と考えるかによって、毎日の感じ方は大きく変わります。
たとえば、読書をする、音楽を聴く、絵を描く、写真を撮る、料理を楽しむ、植物を育てる、近所を歩くなど、一人だからこそ自分のペースで楽しめることはたくさんあるのです。
誰かと一緒でなければ楽しめない生活になると、人と逢えない日が、そのまま寂しさにつながってしまいます。
一方、自分一人でも楽しめるものを持っていれば、「今日は一人だから、これをやろう」と時間を前向きに使うことができるのです。
もちろん、人との交流が必要なくなるわけではありません。一人でも楽しめることと、人とのつながりを持つこと。その両方があるからこそ、人生の後半の暮らしにはゆとりが生まれます。
「一人でも大丈夫」と思える力は、人を遠ざける力ではなく、むしろ人間関係に必要以上に依存しないための力ともいえるでしょう。
もっと言えば、何もすることがない退屈さは、定年退職後などでは「苦痛」以外の何物でもなくなってしまう上に、年金暮らしになっていれば毎日が休日と同じなので、なおさらのこと「地獄化」します。
そんな状態を切り抜けるために、「図書館」「公園」などで時間をつぶしても、虚ろな心を満たすことはできずに、飲酒やギャンブルに走ってしまう人も多いようです。
そして、毎日の飲酒によって酒量が増えていけば、健康を害することは必然の帰結です。また、ギャンブルとは、結論から言えば出費する人の「損」の上に成り立っているわけであり、そのような観点からも、集中できる趣味を持つことは重要な意味を持ちます。
注意したいのは「孤独」より社会とのつながりを失うこと
一人の時間を楽しむことができても、人との接点がまったくなくなってしまう状態には注意が必要です。何日も誰とも話さない。困ったことが起きても、相談できる相手がいない。地域や社会との接点もほとんどない。
こうした状態が長く続けば、自分では「一人が好きだから」、と思っていても、いつの間にか孤立が深まっていることがあります。
ここで大切なのは、「親友を作らなければならない」、と考えないことです。社会とのつながりは、必ずしも深い友人関係だけで作られるものではありません。
近所の人と挨拶をする。よく行く店で店員さんと言葉を交わす。趣味の教室で顔見知りができる。地域の行事にときどき参加する。
こうした小さな接点も、立派な社会とのつながりです。人生の後半では、一人の親しい友人だけにすべてを求めるよりも、いくつかの場所に緩やかなつながりを持っておくほうが、かえって無理のない場合があります。
人間関係はを「親友か他人か」、の二つに分けることではありません。顔を合わせれば少し話せる人がいる。そんな小さな関係を日常の中に残しておくことも、孤立を防ぐ大切な備えになるのです。
寂しさを感じる自分を否定する必要はない
どれほど一人の時間を楽しめる人でも、ときには寂しさを感じます。
休日に予定がなく、誰からも連絡が来ないとき。昔の友人との付き合いが減ったことに気づいたとき。家族や知人が、楽しそうに集まっている姿を見たとき。ふと「自分は一人なのだ」、と感じる瞬間があるかもしれません。
そのようなときには、「もっと一人であっても強くならなければ」、と無理に気持ちを奮い立たせる必要はありません。寂しいと感じること自体は、人とのつながりを求める自然な感情だからです。
大切なのは、その寂しさを理由に、無理な人間関係へ飛び込まないことです。寂しいからといって、気の合わない人に合わせ続けたり、本当は参加したくない集まりへ毎回出かけたりすれば、今度は人付き合いそのものに疲れてしまいます。
「今日は少し寂しいな」と感じたら、久しい友人へ短い連絡をしてみる。いつもの店へ出かける。趣味の集まりに参加してみる。
その程度の小さな行動でも構いません。寂しさを否定するのではなく、「少し人とつながりたいという自分からの合図」、と考えることで、無理のない行動へ変えていくことができます。
現在ある人間関係を、残す・距離を調整する・手放すという3つの視点から見直したい人は、次の記事も参考にしてください。 JT67「50代から人間関係を整理してもよい?無理な付き合いを手放すための判断基準」
一人の時間と人との時間を無理なく両立させる
人生の後半の人間関係で目指したいのは、「いつも誰かと一緒にいる生活」、ではありません。反対に、「誰にも頼らず一人だけで生きること」、でもないでしょう。
大切なのは、一人で過ごす時間と、人と関わる時間の両方を、自分に合った割合で持つことです。たとえば、平日は自分の趣味を楽しみ、月に数回は友人と食事をする。
週に一度は趣味の集まりへ参加する。毎朝の散歩で近所の人と挨拶を交わす。それだけでも、生活の中にはさまざまな形のつながりが生まれるのです。
私が、ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラーなどの資格を通じて人生の後半について学んできた中でも、これからの暮らしを整えることは、お金や終活の準備をすることだけではないと感じています。
自分の時間を楽しめること。そして、必要なときに人とつながれること。こうした人間関係も、人生の後半を安心して暮らすための大切な土台の一つです。
毎日誰かと逢う必要はありません。一人になりたい日は一人で過ごし、誰かと話したい日はつながれる場所がある。
そんな選択肢を持っていることが、孤独と上手に付き合いながら、人生の後半を歩いていく力になるのではないでしょうか。
一人で過ごす時間だけでなく、これからの暮らし全体への不安も感じている方は、住まい・お金・健康・人とのつながりなどを整理したこちらの記事も参考にしてください。 JT51「一人暮らしの老後が不安…50代から始める安心の備え」
人とのつながりを大切にする一方で、一人の時間を自分自身で楽しめることも、人生後半を豊かにする大切な要素です。
自分に合った趣味や小さな楽しみの見つけ方については、 JT54「定年後に生きがいを失わないために|人生後半を楽しむ趣味の見つけ方」で詳しくお伝えしています。
一人の時間を穏やかに過ごす考え方については、次の記事で詳しく解説しています。 JT59「老後の孤独が怖い人へ|一人の時間を「寂しさ」から「豊かさ」に変える考え方」
人生の後半の友人関係は「数」より「心地よさ」を大切にする

人生の後半の友人づくりでは、「もっと友達を増やさなければ」、と焦る必要はありません。
大切なのは人数ではなく、一緒にいて無理をしなくて済むことや、お互いの生活を尊重できることではないでしょうか。
また、すべての友人に同じ役割を求めることもありません。趣味を楽しむ人、たまに食事をする人、困ったときに連絡できる人など、さまざまな関係があってよいのです。
本章では、これからの人生に合った心地よい友人関係について考えていきます。
友達が多いことが幸せとは限らない
友達が多く、いつも誰かと出かけている人を見ると、「自分ももっと人付き合いを増やした方がよいのでは」、と思うことがあります。しかし、友達の人数だけで人間関係の豊かさを測ることはできません。
たくさんの知り合いがいても、付き合いを維持するために無理をしていれば、やがて負担になります。反対に、友達の数は少なくても、安心して話せる相手がいれば、その関係は大きな支えになります。
人生の後半には、自分の時間も限られてきます。「何人と付き合っているか」ではなく、「その人と過ごしたあとに心地よい気持ちになれるか」。そんな基準で人間関係を考えてみてもよいのではないでしょうか。
頻繁に逢わなくても続く関係を大切にする
若いころの友人関係では、毎日のように顔を合わせたり、頻繁に連絡を取り合ったりすることもあったでしょう。
しかし、人生の後半ではそれぞれに仕事や家庭、親のことなどがあり、同じような付き合い方を続けることは難しくなります。
そこで大切になるのが、「会う回数=親しさ」と考えないことです。半年ぶりに逢っても、昨日まで一緒にいたように話せる友人もいます。年に数回しか連絡を取らなくても、何かあったときには自然に声を掛けられる関係もあるのです。
頻繁につながっていなくても、お互いを忘れているわけではありません。人生の後半では、こうした「細くても長く続く関係」が、かえって心地よい友人関係になることもあります。
無理に合わせなければ続かない関係を見直してみる
長年の友人だからといって、これからも同じ付き合い方を続けなければならないわけではありません。逢うたびに気を使う。誘いを断ると申し訳なく感じる。自分の考えを言えず、いつも相手に合わせてしまう。
そんな関係が続けば、人と逢うことそのものが負担になってしまいます。もちろん、長い付き合いを簡単に終わらせることはありません。
逢う回数を少し減らしたり、参加したくない集まりは断ったりするだけでも、ちょうどよい距離を取り戻せることがあります。
人生の後半では、これまでの人間関係をすべて維持することよりも、自分にも相手にも無理のない距離を見つけることが大切です。
「何でも話せる親友」だけを求めなくていい
新しい友人を作ろうとすると、「何でも話せる親友が欲しい」、と考えることがあります。しかし、大人になってからの人間関係は、それほど深い関係だけでなくても充分に意味があります。
絵を描くことについて話せる人、散歩で顔を合わせる人、同じ講座で学ぶ人、たまにお茶を飲む人。それぞれとの関係が少しずつ違っていても構いません。
むしろ、一人の友人に「いつでも話を聞いてほしい」「何でも理解してほしい」、と求めすぎない方が、お互いに負担の少ない関係を続けやすくなれます。
人生の後半の人間関係は、一つの深い関係だけで支えるのではなく、いくつもの緩やかなつながりによって豊かにすることもできるのです。

人生の後半の友人関係では、人数よりも「無理なく付き合えるか」、を大切にしましょう。深さの違う小さなつながりを持つことも、これからの人生を支えてくれます。
50代からの新しい人間関係を作るための4つの方法

人生の後半になってから新しい友人を作ろうとしても、「今さらどこで知り合えばよいのだろう」、と戸惑うことがあります。
学生時代のように、毎日同じ人と自然に顔を合わせる環境は少なくなるからです。
そこで、「友達を作らなければ」と考えるより、自分が興味を持てる場所へ出かけてみましょう。同じ目的を持つ人が集まる場所なら、会話のきっかけも自然に生まれます。
本章では、50代以降でも無理なく始められる、新しいつながりを作る4つの方法をご紹介しましょう。
趣味や学びの場へ参加してみる
新しい人と自然に知り合いやすいのが、趣味や学びを通じた場所です。絵画、写真、音楽、料理、園芸、スポーツ、語学など、あなたが興味を持てるものであれば何でも構いません。
こうした場所のよいところは、最初から「友達を作ること」、を目的にしなくてもよいことです。
同じものに興味を持つ人が集まっているため、「どのくらい続けているのですか」「これは難しいですね」、といった何気ない会話から関係が始まります。
そして、気の合う人がいれば、少しずつ話す機会が増えていきます。友人ができなかったとしても、自分の好きなことを楽しんだ時間は残るのです。
人生の後半の新しいつながりは、友達探しではなく、「自分が楽しめる場所を一つ増やす」ことから始めると、無理なく続けやすくなります。
地域活動やボランティアをきっかけにする
自分が暮らしている地域にも、人とのつながりを作るきっかけはあるのです。
地域の行事や清掃活動、ボランティア、自治体が開催する講座などに参加すれば、近くに住む人と知り合う機会が生まれます。地域でのつながりには、遠くの友人とは違った良さがあります。
散歩の途中で挨拶をしたり、近所で顔を合わせたときに少し話したりするだけでも、日常の中に人との接点が生まれるからです。
大切なのは、最初から積極的に輪の中心へ入ろうとしないことです。まず一度参加してみる。顔を覚えてもらう。次に会ったときに挨拶する。
そのくらいから始めれば充分です。小さな接点を繰り返していくうちに、少しずつ地域の中に「知っている人」、が増えていきます。
親しい友人を作ることにこだわらず、もっとゆるやかに地域との接点を持っておきたい方は、 JT55「50代から始める地域とのつながり|孤立しない老後を迎えるために」も参考にしてください。
昔の友人や知人とのつながりをもう一度育てる
新しい人間関係というと、まったく知らない人と出逢うことばかり考えがちです。しかし、以前付き合いがあった人との関係を、もう一度育て直す方法もあります。
学生時代の友人、昔の職場の同僚、以前の趣味仲間など、「嫌いになったわけではないけれど、いつの間にか疎遠になった人」、はいないでしょうか?
そんな人に、「久しぶり。元気にしていますか?」、と短い連絡をしてみるのも一つの方法です。もちろん、昔と同じ関係に戻る必要はありません。お互いに年月を重ね、生活も価値観も変わっています。
だからこそ、過去の関係を取り戻すのではなく、「今の二人」、として新しい付き合いを始めるくらいの気持ちでよいのです。
オンラインのつながりを現実の生活にも上手に取り入れる
今は、インターネットを通じて、同じ趣味や関心を持つ人とつながることもできます。SNSやオンライン講座、趣味のコミュニティーなどを利用すれば、住んでいる場所に関係なく人と交流できます。
とくに、外出する機会が少ないときでも人との接点を持てることは、オンラインならではの利点です。ただし、オンラインだけに頼る必要はありません。
インターネットで知った講座や展覧会へ出かけたり、信頼できるコミュニティーの交流会に参加したりするなど、現実の活動へ広げることもできます。
一方で、個人情報を安易に伝えたり、お金の話を持ち掛けられたりした場合には慎重になることも必要です。オンラインを「友達を作る場所」と限定せず、自分の世界を広げる入口として上手に利用していきましょう。
新しい友人関係を長く続けるために大切なこと

新しい人と知り合っても、その関係を長く続けようと頑張りすぎると、かえって疲れてしまうことがあります。
とくに人生の後半では、それぞれに仕事や家庭、自分なりの生活リズムがあります。若いころのように頻繁に逢ったり、いつも連絡を取り合ったりすることが、必ずしも心地よいとは限りません。
大切なのは、お互いの生活を尊重しながら、少しずつ関係を育てていくことです。
本章では、新しく生まれたつながりを無理なく長く続けるために、大切にしたい4つのことを考えていきます。
最初から深い関係を求めすぎない
気の合いそうな人と出逢うと、「もっと親しくなりたい」、と思うことがあります。しかし、最初から何でも話せる関係を求めることはありません。
まずは逢ったときに挨拶する。共通の趣味について話す。ときどき一緒にお茶を飲む。その程度の関係から始められれば充分です。
時間を重ねる中で、お互いの考え方や人柄が少しずつわかってきます。その結果、自然に親しい関係へ発展することもあるでしょう。
反対に、それ以上深くならなくても問題はありません。「知り合い以上、親友未満」のような関係も、人生の後半には大切なつながりになります。親しさを急いだりせず、自然な成り行きに任せるくらいの余裕を持っておきましょう。
相手との距離を縮めることを急がない
新しい人間関係では、相手との距離感を大切にする必要があるでしょう。
自分は毎週会いたいと思っていても、相手は月に一度くらいが心地よいかもしれません。毎日のように連絡したい人もいれば、必要なときだけ連絡を取りたい人もいます。
どちらが正しいということではありません。大切なのは、自分のペースだけで関係を進めないことです。誘って断られたからといって、「嫌われたのでは」、とすぐに考えることもありません。
単に予定があったり、一人で過ごしたかったりする場合もあります。人生の後半では、お互いにすでに自分の暮らしがあります。
相手の、その生活へ無理に入り込まず、適度な距離を保つことが、かえって長く付き合える関係につながるのです。
お互いの生活や価値観の違いを尊重する
長く生きてきたからこそ、一人ひとりにはそれぞれの考え方があります。仕事、お金、家族、健康、老後の過ごし方など、同じ年代だからといって価値観まで同じとは限りません。
友人だからといって、すべての考え方が一致することもありません。「自分とは違うけれど、この人はそう考えるんだな」、と受け止められる関係の方が、お互いに無理をせず付き合うことができます。
反対に、自分の価値観を押し付けたり、相手の生き方を必要以上に批判したりすれば、関係は窮屈になってしまうのです。
共通する部分を楽しみ、違う部分には入り込みすぎない。人生の後半の友人関係では、それくらいの距離感がちょうどよい場合もあります。
「してもらう」だけでなく小さな思いやりを返していく
心地よい人間関係は、一方だけが支えるものではありません。
話を聞いてもらったら、今度は相手の話にも耳を傾ける。何かしてもらったら、「ありがとう」と伝える。しばらく逢っていなければ、ときどき「元気ですか」、と連絡してみる。
そんな小さなやり取りが、関係を長く続けてくれます。ただし、「してもらったから同じだけ返さなければ」、と考えることはないのです。
大切なのは貸し借りを計算することではなく、相手を気に掛ける気持ちです。人間関係は、大きな出来事によって深まるとは限りません。
何気ない挨拶や感謝、ちょっとした気遣いを積み重ねることが、「また逢いたい」、と思える関係を少しずつ育てていくのです。

新しい友人関係は、急いで深める必要はありません。お互いの生活を尊重し、小さな思いやりを重ねながら、無理のない距離で育てていきましょう。
人間関係に疲れたときは「離れること」も大切にする

孤独を防ぐためには、人とのつながりを持つことが大切です。しかし、「一人になりたくない」という気持ちから、苦しい人間関係まで続ける必要はありません。
人と付き合うことには、楽しい面だけでなく、気を使ったり、考え方の違いに疲れたりすることもあります。
人生の後半では、新しいつながりを作ることと同じくらい、自分にとって負担の大きい関係との距離を見直すことも大切です。
本章では、人間関係に疲れたときに、自分の心を守りながら、付き合い方を整える方法について考えていきます。
寂しさを埋めるためだけの付き合いを続けない
「一人になるのが寂しいから」、という理由だけで、人付き合いを続けてしまうこともあるでしょう。本当は気が進まないのに、誘いを断れない。話が合わなくても、その人しか友人がいないと思って我慢する。
こうした付き合いが続けば、孤独は避けられても、別の苦しさを抱えることになります。人と一緒にいることだけが、寂しさをなくす方法ではありません。
一人で、好きなことを楽しんだり、新しい場所へ出かけたりすることで、心が満たされることもあります。「一人になること」と「寂しい人生になること」、を同じものと考えないことが大切です。
孤独への不安から誰かにしがみつくのではなく、自分が本当に大切にしたい関係を選ぶことも、人生の後半の友人づくりの一つになります。
逢ったあとに、いつも疲れる関係を見直してみる
人間関係が自分にとって心地よいものかどうかは、「その人と逢ったあと」の気持ち、からわかることがあります。楽しい時間を過ごしたあとには、「また逢いたい」、と自然に思えるでしょう。
一方、逢うたびにどっと疲れたり、何日も相手の言葉が気になったりするのであれば、その関係には無理が生じているのかもしれません。
もちろん、一度疲れたからといって、すぐに付き合いをやめることでもありません。ただ、同じことが何度も続くのであれば、逢う回数を減らしたり、長時間一緒に過ごさないようにしたりする選択肢もあります。
人間関係には、それぞれ心地のよい距離があります。長い付き合いだからという理由だけで、以前と同じ距離を保つのではなく、今の自分に合った付き合い方へ変えていきましょう。
断ることや距離を置くことに罪悪感を持ちすぎない
誘いを断ったり、人との距離を置いたりすると、「相手に悪いのではないか」、と感じることがあります。しかし、自分の時間や気持ちを守ることも大切です。
予定があるときだけでなく、「今日は一人でゆっくりしたい」、という理由で断ることがあっても構いません。
無理をして付き合い続けた結果、その人自体を嫌いになってしまうよりも、適度な距離を保った方が関係が長く続く場合もあります。
断るときには、細かな理由を説明する必要もありません。「今回はやめておきます。また今度」、と伝えるだけでも充分ではないでしょうか。
人生の後半では、限られた時間をどのように使うかも大切になります。相手を尊重すると同時に、自分の時間も尊重する。そのバランスを意識してみましょう。
一人になる時間を人間関係の「休息」にする
人付き合いに疲れたときは、一人になる時間を意識的に作ることも必要です。一人で散歩をする。静かに本を読む。音楽を聴く。絵を描く。何もしないでゆっくり過ごす。
誰かに合わせる必要のない時間を持つことで、気持ちが整うことがあります。これは、人間関係から逃げることではありません。人と心地よく付き合い続けるための「休息」、と考えてみてはいかがでしょうか。
一人の時間があるからこそ、再び誰かと話したくなることもあります。そして、人と過ごす楽しさがあるからこそ、一人の時間も大切に感じられるはずです。
どちらか一方を選ぶことはありません。人とつながる時間と、一人に戻る時間。その両方を持つことが、無理のない人間関係を長く続ける助けになります。
人生の後半は「一人でも安心、人といても心地よい」を目指そう

人生の後半の友人づくりで目指したいのは、いつも誰かに囲まれている生活ではありません。
一人で過ごす時間を楽しみながら、ときには誰かと話したり、一緒に好きなことを楽しんだりできる。そんな暮らしの方が、無理なく長く続けられるのではないでしょうか。
そのためには、人とのつながりだけでなく、自分自身の生活を充実させることも大切です。
本章では、「一人でも安心、人といても心地よい」、人生の後半を作るために、日々の暮らしの中で意識したいことを考えていきます。
一人で楽しめるものを一つずつ増やしていく
誰かと一緒でなければ楽しめない生活では、人と逢えない時間がそのまま寂しさにつながりやすくなります。だからこそ、一人でも楽しめるものを持っておくことは極めて重要です。
読書、散歩、映画、料理、園芸、旅行、写真、陶芸、絵を描くことなど、あなたが興味を持てるものであれば何でも構いません。
最初から、大きな生きがいを見つけようとする必要もありません。「今日はこれをやってみよう」、と思えるものを、一つずつ増やしていけばよいのです。
そして趣味を続けていると、同じことを楽しむ人との出逢いにつながる場合もあります。一人で楽しむために始めたことが、結果として人とのつながりを広げてくれる。そんな自然な流れも、人生の後半では大切にしましょう。
人生の後半の楽しみは、人とのつながりだけから生まれるものではありません。一人で夢中になれる趣味を持つことも、毎日の時間を豊かにしてくれます。
私自身が取り組んでいる鉛筆画やデッサンにも、上達することだけではないさまざまな魅力があるのです。
LS300「なぜ鉛筆画を描くと人生が豊かになるのか?上達だけではない7つの魅力!」
小さなつながりを日常の中に残しておく
人とのつながりというと、友人や家族との深い関係を思い浮かべがちです。しかし、日常にはもっと小さなつながりがあります。
散歩ですれ違う近所の人に挨拶する。よく行く店で短い会話をする。趣味の仲間と作品について話す。ほんの数分のやり取りでも、人と関わる機会になるのです。
こうした関係では、深い悩みを話したり、頻繁に連絡を取り合ったりする必要はありません。「ここへ来れば知っている人がいる」、と感じられる場所をいくつか持っているだけでも、暮らしの中には安心感が生まれます。
親しい友人だけを人間関係と考えず、日常にある小さなつながりにも目を向けてみましょう。
人間関係だけでなく、「これから自分自身の人生をどう生きるのか」を改めて考えたい方は、第二の人生をテーマにしたこちらの記事もあわせてご覧ください。 JT49「親を見送ったあと、自分の人生をどう生きる?|第二の人生を歩き始めるために」
困ったときに助けを求められる関係を持っておく
一人でできることを増やすことは大切ですが、何でも一人で解決しようとする必要はありません。年齢を重ねれば、自分だけでは対応できないことが出てくる可能性もあるのです。
そんなとき、「少し手伝ってもらえませんか?」「どうすればいいと思いますか?」、と言える相手がいることは、大きな安心につながります。
それは親友でなくても構いません。内容によって、友人、家族、近所の人、地域の窓口や専門家など、頼る相手が違ってもよいのです。
また、自分ができるときには誰かを少し手助けする。そんな小さな支え合いから、関係が育つこともあります。
人生の後半の自立とは、誰にも頼らないことではなく、自分でできることを大切にしながら、必要なときには適切な人へ助けを求められることでもあるでしょう。
人に頼ることは、自立を失うことではありません。家族だけに頼らず、必要な支えを持ちながら老後を整える方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 JT52「子どもに頼らない老後は実現できる?今から整えたい5つの準備」
これからの人生に合った人間関係を自分で選んでいく
これまで長く続いてきた人間関係も大切です。しかし、これから先も昔と同じ付き合い方を続けなければならないわけではありません。
人生の後半には、時間の使い方も、大切にしたいことも変わっていきます。昔からの友人を大切にしながら、新しい人とも知り合う。疲れる関係とは少し距離を取り、一人の時間も楽しむ。
その時々の自分に合わせて、人との付き合い方を選び直してもよいのです。友達が何人いるかを、他人と比べる必要もありません。
一人でも穏やかに過ごせて、人と逢えば楽しい。そして、困ったときには誰かに声を掛けられる。そんな自分らしい人間関係を、少しずつ作っていくことが、人生の後半の安心と豊かさにつながっていくのではないでしょうか。

人生の後半は、一人の時間と人とのつながりのどちらも大切にしていきましょう。「一人でも安心、人といても心地よい」と感じられる関係こそ、これからの人生に無理なく寄り添ってくれます。
まとめ|人生の後半の友人づくりで大切にしたい7つのこと

50代以降になると、仕事や家庭環境、生活リズムなどの変化によって、それまでの友人関係も少しずつ変わっていきます。
以前より友人と会う機会が減ったとしても、それを「寂しい人生になった」、と考えることはありません。人生の後半に大切なのは、友達をたくさん作ることではなく、あなたにとって無理のない人間関係を持つことです。
この記事でお伝えしてきたポイントを、最後に7つにまとめてみましょう。
- 人間関係が変わることを、必要以上に恐れない。
- 一人で過ごすことと、社会から孤立することを分けて考える。
- 友人の「数」よりも、一緒にいて心地よい関係を大切にする。
- 趣味や学び地域活動などを通じて、自然なつながりを作る。
- 新しい関係は急いで深めず、お互いの生活を尊重する。
- 疲れる人間関係からは、ときには距離を置く。
- 一人の時間と、人とのつながりの両方を大切にする。
若いころとは違い、人生の後半には、それぞれが長年築いてきた生活があります。
毎日のように逢う友人がいなくても構いません。年に数回逢う人、趣味について話せる人、近所で挨拶を交わす人など、さまざまなつながりがあってよいのです。
そして、人とのつながりと同じくらい、一人の時間を楽しめることも大切です。一人でいることを恐れず、それでも誰かと話したいときや困ったときには、自然に人とつながることができる。
そんな「一人でも安心、人といても心地よい」暮らしを作ることが、人生の後半の友人づくりの一つの理想ではないでしょうか。
友達が何人いるかではなく、あなたらしく生きながら、必要なときに誰かとつながれること。これからの人生に合った人間関係を、焦らず、少しずつ育てていきましょう。
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私自身も、転職や起業、失敗や挑戦を繰り返しながら、人生の後半を少しずつ整えてきました。このサイトでは、その経験や学びをもとに、人生の後半を穏やかに充実させるヒントを発信しています。
この記事を書いた人
中山眞治
人生の後半を整えるアドバイザー
ファイナンシャル・プランナー(AFP)・終活カウンセラーなどの資格と人生経験をもとに、 40代以降の人生を「整えながら生きる」ための情報を発信しています。
プロフィールはこちら人生の後半とは、遅すぎるのではなく、これからの人生を整えていける時間がまだ充分にあります。あなたらしい歩み方を見つけるヒントになれば幸いです。

