こんにちは。人生の後半を穏やかに整えるヒントを発信している、中山眞治です。

筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に
「60歳から別の会社へ就職するのは難しいだろうか」。そう考えて、求人を見る前からためらう人もいるかもしれません。
長く勤めた会社を離れた後は、どんな仕事が自分に合うのか、これまでの経験をどう伝えればよいのか、迷うのも自然なことです。
再就職の進め方は、経験や資格だけでは決まりません。希望する仕事内容に加えて、必要な収入、勤務日数、通勤時間、体力面で無理のない条件を整理することが出発点になります。
そのうえで探す場所を広げ、応募先に合わせて経験を伝える準備をしていきましょう。
この記事では、60歳から新たな職場を探す人に向けて、仕事選びから求人の確認、応募書類、面接の準備までを順に考えます。採用されることだけではなく、働き始めた後も続けられる暮らしを目指します。
それでは、早速見ていきましょう!
60歳からの再就職は、何を希望するかの整理から始める

「まず求人を探さなければ」と思っても、希望する仕事や働き方が曖昧なままでは、求人ごとの条件を比べにくいのです。
収入が高くても、通勤や勤務時間が負担になる仕事もあれば、仕事内容は魅力的でも必要な収入に届かない仕事もあります。応募を急ぐ前に、自分にとって続けやすい働き方を言葉にしてみましょう。
本章では、経験の振り返りから勤務条件の優先順位づけまで、仕事探しの土台を整えます。
60歳から新しい仕事を探すときは、これまでの経験だけでなく、必要な収入や健康、これからの暮らしも一緒に考えることが大切です。
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これまでの仕事で培った経験と、これからやりたい仕事を書き出す
長く勤めた人ほど、自分の経験を「前の会社でしか通用しない」、と考えてしまうかもしれません。しかし、担当していた業務を細かく振り返ると、別の職場でも生かせる力が見えてくるのです。
たとえば営業職では、売上を上げた経験だけが強みではありません。顧客のクレームや話を聞く、予定を調整する、問い合わせに対応する、新人に仕事を教えるといった経験もあります。
事務職ならば、書類の確認、数字の管理、期限を守る工夫などを書き出せるでしょう。役職名だけで考えず、「日々、何をしていたか」、まで掘り下げることが大切です。
そのうえで、今後も続けたい仕事と、これから試してみたい仕事を分けてみます。経験をそのまま生かせる転職先もあれば、一部を生かしながら新しい分野へ進む道もあります。
最初から一つに絞らず、候補をいくつか持っておくと、求人を探しやすくなれるのです。
必要な収入と、希望する勤務日数・時間を分けて考える
再就職では、希望する給与額を先に決めたくなるものです。ただ、その金額が生活に必要な額なのか、以前の給与を基準にした希望額なのかは、分けて考えておきたいところです。
まず、毎月の生活費を確認し、働いて得たい収入の目安を出します。次に、週に何日、何時間なら働けそうかを考えましょう。
「月にこれだけ必要」と、「週にこのくらい働きたい」を別々に書くと、希望する働き方で収入の目標に届きそうか、検討しやすくなれます。収入だけを優先して勤務時間を増やしてしまうと、働き始めてから負担を感じる場合もあるのです。
反対に、勤務時間だけで求人を選ぶと、家計に不足が生じるかもしれません。必要な額と働ける時間の両方を見ながら、現実的な条件を探していきましょう。
通勤や体力面を含めて、無理なく続けられる条件を決める
同じ仕事内容でも、勤務先までの距離や一日の流れによって、負担は変わります。求人票に書かれた勤務時間だけでなく、家を出てから帰宅するまでを想像してみましょう。
たとえば、朝の混雑した電車で片道一時間かかる仕事と、自転車や歩いて通える、自宅から近い場所で働く仕事では、帰宅後に使える時間も違うのです。
立ち仕事が続くのか、重い物を扱うのか、休憩を取りやすいのかも、仕事選びの大切な材料です。現在の健康状態に合わせて、「無理なく始められる勤務日数」、を考えることも役立ちます。
働き始めた後の生活を思い浮かべて、休息や通院、家族との時間を確保できるか確認しておきましょう。長く働きたいのであればこそ、続けられる条件を先に考えるべきなのです。
譲れない条件と、相談できる条件に優先順位をつける
希望をすべて満たす求人が、すぐに見つかるとは限りません。
そのときに迷い続けないように、条件を「譲れないもの」と「相談できるもの」、に分けておきます。たとえば、「週三日まで」「重い物を運ぶ仕事は避けたい」、は譲れない条件になるかもしれないのです。
一方、「通勤は三十分以内が理想だが、仕事内容が合えば四十五分まで考える」という条件ならば、応募先の幅を広げられます。人によって優先順位は異なるため、ほかの人の基準に合わせる必要はありません。
求人を見ているうちに、希望が変わることもあります。最初に決めた条件に拘り続けるのでがなく、なぜその条件が必要なのかを確かめながら見直しましょう。
自分自身の基準がはっきりすると、求人を選ぶ理由も、応募先に希望を伝える言葉も整理しやすくなれます。

60歳からの再就職を考える際には、これまでの経験だけではなく、これから希望する暮らしも出発点になります。必要な収入、働ける時間、健康面で無理のない条件を書き出し、優先順位をつけましょう。
今の会社から提示された再雇用と、新しい職場への再就職で迷っている方は、判断する条件を先に比べてみてください。
JT69「定年後も今の会社で働く?再雇用を選ぶ前に確認したい7つのポイント」
希望に合う求人を見つけるために、探す範囲を広げる

希望する仕事内容と勤務条件が整理できましたら、求人を探し始めます。一つの方法だけで探していると、自分に合う仕事を見落とすかもしれません。
また、求人票には同じ職種名が書かれていても、実際に任される仕事や勤務時間は職場によって異なります。
本章では、相談先や求人の探す範囲を広げながら、応募前に確認したい点を見ていきましょう。
ハローワークで相談しながら求人を探す
ハローワークは、求人を調べるだけではなく、仕事探しについて相談できる場所です。
「どの職種に応募できるか分からない」「希望する勤務日数で仕事が見つかるだろうか」、といった段階でも、整理した経験や条件を持って相談してみましょう。
厚生労働省によると、全国の一部のハローワークには、高年齢者の再就職などを支援する、「生涯現役支援窓口」が設けられています。
利用できる窓口や、支援内容は地域によって確認が必要ですが、相談先を探す際の手がかりになります。相談するときには、希望する職種だけではなく、必要な収入、働ける日数、通勤できる範囲も伝えましょう。
条件を具体的に伝えるほど、紹介された求人について「自分に合うか」、を一緒に考えやすくなれます。応募書類や面接に不安があれば、その時点で相談しておくと、次の準備にもつながります。
自治体や地域の就職支援、求人情報も確認する
仕事を探す場所は、ハローワークだけではありません。住んでいる自治体や地域の就職支援機関が、求人情報の案内や相談会を行っている場合もあります。近隣で働きたい人は、自治体の広報や公式サイトも確認してみましょう。
求人サイトを使う場合には、職種名だけで検索を終えず、「勤務地」「勤務日数」「短時間勤務」、などの条件も組み合わせるべきです。
検索条件を狭くしすぎると候補が少なくなるため、最初は少し幅を持たせて、気になる求人を比べながら調整するとよいでしょう。気になる情報が見つかりましたら、掲載日も確かめます。
求人の内容や募集状況が変わっている可能性があるため、応募前には募集元が示す最新の条件を確認します。いくつかの探し方を併用し、自分自身が継続して確認しやすい方法を選びましょう。
知人からの紹介や、経験を生かせる業界にも目を向ける
以前の同僚や知人との会話から、仕事の情報を得られることもあります。仕事を探していると伝えるなら、「何でもよい」ではなく、希望する仕事内容や勤務日数を簡潔に話しておくと、相手にも伝わりやすくなります。
ただし、紹介された仕事でも、条件を確かめずに引き受けるべきではありません。人間関係があるからこそ、仕事内容や給与、契約期間を応募前に確認して、自分自身に合うかを判断することが大切です。
また、これまでの業界や職種と、まったく同じ求人だけを探すべきではありません。たとえば、顧客対応や新人指導の経験は、別の業界でも生かせる可能性があります。
「前職と同じ肩書」で探すのに加えて、「自分ができる仕事」で候補を広げてみましょう。
求人票では仕事内容・契約期間・勤務条件を具体的に確かめる
応募したい求人が見つかりましたら、給与額や職種名だけで判断せず、求人票を最後まで読みます。
同じ「事務」でも、電話対応が中心の職場があれば、パソコンでの入力や来客対応を含む職場もあります。仕事内容の記載が曖昧ならば、応募前や面接時に確認したい点として控えておきましょう。
勤務時間、休憩、休日、勤務地に加えて、契約期間の定めや更新についての記載も確認します。勤務日数を相談できると書かれていても、自分の希望どおりになるとは限りません。気になる点は推測で埋めず、相談窓口や応募先に尋ねます。
複数の求人を比べるときには、「仕事内容」「収入」「勤務時間」「通勤」、の四つを並べて書くと、違いが見えやすくなります。目についた一件に急いで決めるよりも、自分自身が決めた優先順位に照らして検討しましょう。
応募書類では、経験を「応募先でできること」に結びつける

応募したい求人が見つかりましたら、履歴書と職務経歴書を準備しましょう。
長く働いてきた人ほど、書ける経験は多いものですが、職務経歴をすべてを並べるだけでは、応募先に何を伝えたいのか分かりにくくなってしまいます。
大切なのは、募集されている仕事を確かめ、自分の経験の中で、そこで役立つものを選んで伝えることです。
本章では、応募書類を読み手に伝わりやすく整える方法を考えます。
履歴書には、応募先に関係する経験を分かりやすく書く
履歴書は、自分の経歴を応募先に知ってもらうための書類です。記入する際には、勤務先や在職期間を正確に確認し、採用担当者が経歴の流れを追えるようにします。
志望動機を書く欄では、「これまで働いてきた職種ですから頑張れます」、といった言葉だけで終えず、応募した仕事とのつながりを示しましょう。
たとえば、接客の仕事に応募するなら、過去に顧客からのクレーム処理や相談を受けたり、問い合わせに対応したりした経験を挙げるべきです。
そのうえで、「相手の話を聞き、落ち着いて対応してきた経験を生かしたい」と書けば、働く姿を想像してもらいやすくなれます。
資格も、持っているものをすべてを羅列する必要はありません。応募先の仕事に関係する資格や、現在も使える知識を中心に整理します。読み手が知りたいのは資格の数だけではなく、入社した場合に「何ができるか」なのです。
職務経歴書では、担当業務と工夫したことを具体化する
職務経歴書には、会社名や役職名に加えて、実際に担当していた仕事を書きます。「管理職を経験」とだけ書くより、「何人の業務を調整し、どのような課題に対応したか」を示すほうが、経験の中身が伝わります。
数字で表せる実績があれば、正確な範囲で記載しましょう。ただし、目立つ数字がなくても書けることはあるのです。
たとえば、仕事の引き継ぎ方法を整えたこと、ミスを減らすために確認手順を工夫したこと、新人が相談しやすいよう支えたことなどです。長い職歴を一からすべて詳しく書くと、応募先に関係する経験が埋もれてしまいます。
まず担当業務を時系列で書き出し、その中から応募する仕事に近い経験を選びます。「何を任され、どう取り組んだか」、が分かる形に整えていきましょう。
新しい仕事に、学ぶ姿勢を実際の行動とともに伝える
別の会社へ再就職する際には、前職での経験があっても、新しい職場のやり方を覚える必要があります。応募書類では経験への自信に加えて、必要なことを学ぶ姿勢も伝えたいところです。
ただし、「何でも学びます」と書くだけでは、具体的な姿が見えません。応募する仕事に必要なパソコン操作を練習している、関連する仕事内容を調べているなど、実際に始めたことがあれば簡潔に記載しましょう。
まだ準備を始めていない場合には、書類に書くためだけに大きな約束をする必要はありません。まず求人を読み、必要な知識を調べるところから始めることを示せるでしょう。
これまでの経験を大切にしながら、新しい職場では教わることもある。その姿勢が伝わるよう、現在取り組んでいることを自分の言葉で書きます。
応募先ごとに志望理由を見直し、誤字や記載漏れを確かめる
複数の求人に応募する場合でも、志望理由をそのまま使い回すと、仕事内容とのずれが生じやすくなります。応募先ごとに求人票を読み直し、「なぜその仕事を希望するのか」「自分のどの経験が役立つか」、を確かめましょう。
完成した書類は、一度時間を置いてから見直します。勤務期間や資格名、連絡先に誤りがないかを確認し、文章が長すぎるところは整理します。
パソコンで作成した場合には、画面上で読むだけでなく、実際にプリントアウトして、提出する形式で文字の欠けやレイアウトの崩れを確かめられると安心です。
自分だけでは伝わり方を判断しにくければ、ハローワークの就職相談の場で、担当者に書類を見てもらう方法もあります。応募書類は過去の経歴を説明するだけではなく、これから応募先で働くための接点を示すものになります。

履歴書と職務経歴書では、長い経験をすべて盛り込むよりも、応募する仕事に関係する業務や工夫を選んで伝えましょう。志望理由も応募先に合わせて見直し、提出前に記載内容を確認すべきです。
面接では、働く意欲と勤務条件を率直に伝える

書類選考を通過できましたら、次は面接です。「年齢について聞かれたらどうしよう」「前の会社ほどの仕事ができるだろうか」と、不安を感じる人もいるでしょう。
面接では立派な答えを暗記するよりも、応募した理由と、自分にできることを具体的に伝える準備が役立ちます。同時に、仕事内容や勤務条件を確かめる機会でもあります。
本章では、面接で話す内容と確認しておきたいことを整理しましょう。
「なぜこの仕事を選んだのか」を自分の言葉で説明する
面接では、応募理由を尋ねられることがあります。「家から近いから」「収入が必要だから」という理由も、仕事を選ぶうえでは大切です。
ただ、それだけでは、数ある求人の中からその仕事を選んだ熱意までは伝わりません。応募前に求人票を読み返し、仕事内容のどこに関心を持ったのか考えてみましょう。
たとえば、「これまで続けてきた顧客対応の経験を生かせる」「地域の人と接する仕事に取り組みたい」など、自分の経験や希望と結びつけます。通いやすさも理由なら、無理なく勤務を続けられる条件として伝えられます。
答えを一字一句覚える必要はありません。「この仕事のどこを希望しているか」「なぜ自分に合うと考えたか」、の二点を押さえ、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
経験をどう生かせるか、短い具体例を用意する
「前職では長年働いてきました」と伝えるだけでは、応募先でどのような仕事を任せられるか、相手には分かりにくいものです。職務経歴書に書いた経験から、応募する仕事に関係する例を一つか二つ選んでおきましょう。
話すときには、「今までの職歴ではどんな仕事を担当し」「どのように取り組み」「応募先でどう活かしたいか」、の順にすると、要点をまとめやすいです。
たとえば、問い合わせへの対応経験があるならば、相手の話を聞いて内容を確認し、必要な担当者につないでいたことまで話せます。
管理職だった人も、役職を強調するだけではなく、実際に行ってきた業務を説明します。新しい職場では、以前と同じ役割を担うとは限りません。過去の立場よりも、目の前の仕事に生かせる経験を伝えることが大切なのです。
勤務日数や体力面について、無理のない希望を伝える
採用されたい気持ちが強いと、勤務日数や時間について、無理な条件でも「大丈夫です」、と答えたくなるかもしれません。
しかし、働き始めてから続けられないと分かれば、自分にも職場にも負担がかかります。勤務できる曜日や時間に希望がある場合には、応募前に整理した条件に基づいて伝えましょう。
「週三日を希望します」「夕方までなら勤務できます」など、可能な範囲を具体的に話します。希望と求人の条件に違いがあれば、調整できるかを確認します。
体力面が気になる仕事では、必要な作業の内容や頻度を質問することもできます。健康に関する情報をすべて詳しく話す必要はありませんが、仕事を続けるうえで必要な条件は曖昧にせず、双方で話し合い確かめておきましょう。
仕事内容や職場の体制について、確認したいことを準備する
面接は、応募先があなたを見る場であると同時に、あなたが仕事を理解する場でもあります。求人票を読んで気になったことは、事前にメモしておきましょう。
たとえば、「就職後はどの業務から担当しますか?」「仕事を教わる期間や方法はどうなっていますか?」、と尋ねれば、働き始めたときの流れを想像しやすくなれます。
勤務時間や休日について記載が分かりにくい場合にも、具体的に確認してもよいでしょう。質問は数を増やすことより、自分自身の判断に必要な点を聞くことが大切です。
面接後には、聞いた内容と受けた印象を書き留めておくと、ほかの応募先と比べる際にも役立ちます。採用の返事を急ぐ前に、当初決めた条件に合うかを振り返っておきましょう。
採用後の生活まで見据えて、長く続けられる仕事を選ぶ

応募先から採用の連絡が来れば、うれしい気持ちになるものです。
一方で、「採用されたのだから」、と気になる条件をそのままにして働き始めると、後から不安を感じるかもしれません。
再就職の目的は、採用されることだけではなく、自分の暮らしに合った形で働き続けることです。
本章では、収入、健康、生活の時間を合わせて考えて、仕事を選ぶ視点を整理します。
給与だけでなく、勤務時間や通勤の負担も合わせて判断する
二つの仕事を比べるときには、給与が高いほうに目が向くのは自然です。
ただ、給与額だけで決める前に、その収入を得るための勤務時間や通勤の負担も確認しましょう。たとえば、給与は高くても、出勤日数が多く、通勤に往復二時間かかる仕事があります。
一方、給与は少し低くても、自宅から近く、希望する日数で働ける仕事もあります。どちらが自分自身に合うかは、必要な収入と生活の過ごし方によって変わるのです。
求人票や面接で確認した内容を比較して、給与、勤務日数、一日の拘束時間、通勤時間を書き出してみましょう。
手当や交通費など、金額の判断に関わる条件も確認します。条件が曖昧なところは、働き始める前に応募先へ確かめておくことが重要です。
健康管理と休息の時間を確保できるか考える
再就職後には、新しい仕事を覚え、人間関係にも慣れる必要があります。
以前と似た仕事でも、働く環境が変われば、最初は疲れを感じることも多いでしょう。採用が決まりましたら、仕事そのものに加えて、休息の取れる生活になれるかどうかを考えてみるべきです。
たとえば、勤務日の翌朝は充分に心身を休められている状態を確保できるか、通院などの予定と勤務時間を両立できるかを確認します。立ち仕事や移動の多い仕事ならば、一日働いた後の心身の負担も想像しておきたいところではないでしょうか。
「以前はできていたから」、という理由だけで判断せず、今の自分に合うかを基準にします。働き始めてから困ったことがあれば、我慢を重ねる前に、担当者へ相談することも大切です。
長く働くためには、無理を続けることよりも、負担に早めに気づくことが役立ちます。
家庭や趣味の時間との両立を具体的に想像する
今までの職場を退職後に、新たな仕事を探す理由は、収入を得るためだけとは限りません。社会とのつながりを持ちたい人もいれば、生活に張り合いを持ちながら、自分の時間も大切にしたい人もいます。
働き始めた後の一週間を、具体的に思い描いてみましょう。仕事の日には何時に帰宅し、休日には何をしたいのか。家族との予定、趣味、地域での活動など、続けたいことを予定に入れられるでしょうか。
仕事が生活の中心になることを望む人も、仕事以外の時間を確保したい人もいます。自分自身にとって、大切な時間が分かると、勤務日数や曜日の希望にも理由が生まれます。
周囲が考える、「理想の働き方」に合わせるのではなく、収入と暮らしの両方を勘案して、自分自身が納得できる形を探しましょう。
条件が合わないときには、希望を見直しながら探し続ける
応募した仕事から採用の連絡を受けても、確認した条件が希望と大きく違うことがあります。
また、応募を続けても、すぐには結果が出ないかもしれません。どちらの場合も、自分を責めず、当初決めた条件に立ち返って考えましょう。
条件が合わない求人については、どの点が難しいのかを具体的にします。仕事内容は希望に合うものの通勤が負担なら、近い地域で似た仕事を探せます。勤務日数が合わないならば、調整の余地を確認する方法もあります。
選考が続く中で、希望する職種や働き方が変わっても構いません。ただし、必要な収入や健康に関わる条件まで、焦って曖昧にしないことが極めて大切です。
応募の結果だけを見るのではなくて、求人を調べ、条件を比べる中で分かったことを、次の仕事探しに生かしていきましょう。

再就職先を選ぶ際には、給与とともに、勤務時間、通勤、健康への負担、仕事以外の時間も確認しましょう。条件が合わないときには、何を見直せるかを具体的に考えます。採用後の生活を想像することが、自分自身に合った仕事を選ぶ助けになります。
再就職後の生活を考える前に、退職までに整えておきたいことを確認したい方はこちらも参考になります。
JT61「定年後の生活が想像できない人へ|退職前の5年間で整えておきたい7つのこと」
まとめ|60歳からの再就職は、自分に合う働き方を探すことから

60歳から別の会社で働こうと考えたとき、「採用されるだろうか」、と不安になるのは自然なことです。ただ、年齢だけで結果を決めつけることはありません。
まずは、これまでの経験を振り返り、どのような仕事を、どれくらいの時間、どんな暮らしの中で続けたいのかを整理しましょう。
本記事で考えてきたことを、七つにまとめます。
- これまでの役職だけでなく、日々担当してきた業務や工夫を書き出す。
- 必要な収入と、希望する勤務日数・時間を分けて考える。
- 通勤や体力面を含め、譲れない条件に優先順位をつける。
- ハローワークや地域の情報など、複数の方法で求人を探す。
- 求人票では、仕事内容・契約期間・勤務条件を確かめる。
- 応募書類と面接では、経験を応募先の仕事に結びつけて伝える。
- 採用後も健康や家庭、自分自身の時間と両立できるか考える。
長く働いてきた経験には、自分では当たり前だと思っている力が含まれているかもしれません。
仕事を正確に進めること、人の話を聞くこと、周囲と協力すること。そうした経験を具体的に言葉にすると、新しい職場でできることも見えてくるのです。
一方で、以前と同じ仕事内容や給与だけを基準にすると、今の自分に合う求人を見落とすことがあります。
必要な収入は大切にしながら、勤務時間や通勤、休息の取りやすさも合わせて確認してください。応募する前に分からなかった点は、相談窓口や面接で確かめておきましょう。
そして、希望に合う求人がすぐに見つからなくても、仕事探しの中で条件を整理し直せます。焦って無理な働き方を選ぶよりも、一つひとつの求人を比べて、自分が続けられる仕事を探すことが大切です。
まずは紙に、「生かしたい経験」「必要な収入」「譲れない勤務条件」、を書き出すところから始めてみましょう。
再就職とは別に、本業や暮らしと両立できる小さな仕事を考えたい方は、 JT71「50代から副業を始めたい人へ|経験を生かし、老後につながる小さな仕事の育て方」もご覧ください。
仕事とともに、夢中になれる時間も人生の後半の支えになります。鉛筆画を例に、その楽しさを紹介しています。
LS300「なぜ鉛筆画を描くと人生が豊かになるのか?上達だけではない7つの魅力!」
再就職先を決めるときは、採用されることに加え、その仕事を続けながらどのように暮らしたいかも大切です。収入、健康、家族や自分の時間を、一つずつ整理していきましょう。
人生の後半を自分らしく整えるための考え方を、無料メルマガでお届けします。
登録に必要なのはメールアドレスだけです。いつでも解除できます。
私自身も、転職や起業、失敗や挑戦を繰り返しながら、人生の後半を少しずつ整えてきました。このサイトでは、その経験や学びをもとに、人生の後半を穏やかに充実させるヒントを発信しています。
この記事を書いた人
中山眞治
人生の後半を整えるアドバイザー
ファイナンシャル・プランナー(AFP)・終活カウンセラーなどの資格と人生経験をもとに、 40代以降の人生を「整えながら生きる」ための情報を発信しています。
プロフィールはこちら人生の後半とは、遅すぎるのではなく、これからの人生を整えていける時間がまだ充分にあります。あなたらしい歩み方を見つけるヒントになれば幸いです。

