こんにちは。人生の後半を穏やかに整えるヒントを発信している、中山眞治です。

筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に
さて、親が元気なうちは、「成年後見制度なんてまだ必要ない」と思う方も多いでしょう。
しかし、認知症などで判断能力が低下すると、本人名義の預金を引き出したり、自宅を売却したり、介護施設との契約を結んだりすることは難しくなる場合があります。
「親のお金なのだから、家族なら自由に管理できるはず」と考えがちですが、実際にはそう簡単ではありません。
本人の判断能力が充分でないと、金融機関や行政手続きでさまざまな制約が生じ、家族が困ってしまうケースも少なくないのです。こうした事態に備えるために、設けられているのが成年後見制度です。
ただし、この制度には大きなメリットがある一方で、一度利用すると原則として途中でやめられないなど、事前に知っておかなければならない注意点もあります。
この記事では、私がファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラー、介護職員初任者研修などの資格取得の過程で学んだ制度や多くの事例も踏まえながら、進んでいきましょう。
また。成年後見制度の基本的な仕組みや、任意後見制度との違い、利用する前に知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
それでは、早速どうぞ!
認知症への備えは、制度を知るだけでは充分ではありません。
親が元気な今だからこそ、人生会議(ACP)やエンディングノートを通じて、ご家族で将来について話し合うことが大切です。
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成年後見制度とは?認知症になる前に知っておきたい基本知識

成年後見制度という言葉を聞いたことはあっても、「実際に何をしてくれる制度なのか」「親が認知症になったときに本当に必要なのか」までは、はっきり分からない方も多いのではないでしょうか。
親が元気なうちは、預金の管理も、病院や介護施設との契約も、日常生活の判断も本人が自分で行えます。しかし、認知症などによって判断能力が低下すると、本人名義の財産であっても、家族が自由に動かせない場面が出てきます。
とくに、介護費用の支払い、不動産の管理、施設入所の契約、不要な契約の取り消しなどは、家族だけの判断では進められないことがあります。そこで重要になるのが、本人の権利と財産を法律面から支える成年後見制度です。
成年後見制度は、単に「親のお金を家族が管理しやすくする制度」ではありません。あくまでも、判断能力が不充分になった本人を守るための制度になります。
本章では、成年後見制度の基本的な仕組みと、認知症になる前に知っておきたい考え方について解説しましょう。
成年後見制度は本人の権利と財産を守る制度
成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などによって、判断能力が充分でなくなった人を法律的に支援する制度になります。
ここで大切なのは、成年後見制度の目的は「家族が本人の財産を自由に使えるようにすること」ではないという点です。制度の中心にあるのは、あくまでも本人の権利と財産を守ることです。
たとえば、親が認知症になった場合に、家族は「親のお金を親自身の介護費用に使うのだから、親の預金を引き出せるのは当然のこと」と考えるかもしれません。
しかし、金融機関から見ると、その預金はあくまでも本人の財産です。本人の意思確認が難しい状態では、家族であっても自由に引き出せないことがあります。
また、判断能力が低下すると、本人が内容をよく理解しないまま、高額な契約を結んでしまうこともあります。不要なリフォーム契約、訪問販売、投資話、定期購入(サブスク)など、高齢者を狙ったトラブルは決して珍しくありません。
成年後見制度では、家庭裁判所によって選ばれた後見人などが、本人に代わって財産を管理したり、不利益な契約を取り消したりすることもあります。これにより、本人が不当な損失を受けることを防ぎます。
ただし、後見人は家族の都合で、財産を使えるようにできるわけではありません。本人の生活、医療、介護、福祉のために必要かどうかが重視されます。つまり、成年後見制度は「家族のための制度」ではなく、「親本人を守るための制度」なのです。
この視点を間違えてしまうと、制度を利用した後に「思っていたより自由にお金を使えない」「家族が管理できると思っていたのに違った」、と感じることがあります。
だからこそ、成年後見制度を考えるときには、最初に「誰のための制度なのか」を確認する必要があります。答えは明確です。成年後見制度は、判断能力が低下した親本人の権利、財産、生活を守るための制度です。
認知症になると財産管理や契約が難しくなる
成年後見制度が必要になる大きな理由の一つは、認知症などによって財産管理や契約行為が難しくなることです。日常生活では、私たちは多くの判断を当たり前のように行っています。
銀行口座からお金を引き出す、家賃や公共料金を支払う、保険の手続きをする、病院にかかる、介護サービスを申し込む、施設と契約する。これらはすべて、本人が内容を理解し、自分の意思で判断することを前提にしているのです。
しかし、認知症が進行すると、契約内容を理解したり、金額の妥当性を判断したり、将来の生活に必要なお金を見通したりすることが難しくなります。
家族が近くにいれば何とかなると思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。本人名義の預金、不動産、保険、証券などは、原則として本人の意思確認が必要です。
家族であっても、本人の代わりにすべての手続きを進められるわけではありません。とくに問題になりやすいのが、介護施設への入所や自宅の売却です。
介護施設に入るには、入所契約や費用の支払いが必要になります。本人が契約内容を理解できない場合には、誰が契約を結ぶのかが問題になります。
また、施設費用をまかなうために自宅を売却したいと思っても、不動産の売却は重要な法律行為であり、本人の判断能力が不充分な状態では簡単に進められません。
さらに、認知症になるとお金の管理そのものにも不安が出てきます。通帳や印鑑の保管場所が分からなくなる、同じものを何度も買ってしまう、必要な支払いを忘れる、不要な契約をしてしまう。
このようなことが重なると、本人の生活だけでなく、家族の介護負担も大きくなります。成年後見制度は、こうした財産管理や契約上の問題に対応するための制度です。
本人の判断能力が不充分になったときに、法律的に権限を持つ人が支援することで、生活に必要な手続きを進めやすくします。
ただし、制度を利用するかどうかは慎重に考える必要があります。成年後見制度にはメリットもありますが、利用後の制約もあるからです。
そのため、認知症になってから慌てて調べるのではなく、元気なうちに制度の概要を知っておくことが大切になります。
成年後見制度には財産管理と身上保護がある
成年後見制度の役割は、大きく分けると「財産管理」と「身上保護」の二つです。まず財産管理とは、本人の預貯金、不動産、年金、保険、証券などを適切に管理することです。
具体的には、生活費や医療費、介護費用の支払い、年金の受け取り、税金や公共料金の支払い、不要な契約の整理、不動産の管理などが含まれます。
財産管理で重要なのは、本人の財産を本人のために使うという考え方です。家族の生活費や相続対策を優先するのではなく、本人が安心して暮らすために必要なお金の使い方が求められるのです。
次に身上保護とは、本人の生活や療養、介護に関する手続きを支援することです。たとえば、介護サービスの利用契約、介護施設への入所契約、医療機関との手続き、福祉サービスの申請などが該当します。
ここで注意したいのは、身上保護という言葉であっても、後見人が直接介護をするわけではないという点です。食事介助、入浴介助、排泄介助、通院の付き添いなどの実際の介護行為は、成年後見制度そのものの役割ではありません。
後見人の役割は、本人に必要なサービスを契約し、費用を支払い、本人の生活が成り立つように法律面や手続き面を支えることです。つまり、後見人は介護職員や家族の代わりに介護をする人ではなく、本人の生活を法的に支える人です。
この違いを理解しておかないと、「後見人がつけば何でもしてくれる」と誤解してしまいます。成年後見制度でできることには範囲があり、できないこともあります。
介護資格取得の過程で学ぶ、高齢者支援や福祉制度の事例でも、制度への過度な期待が家族の混乱につながる場面はよく取り上げられます。制度は大切ですが、万能ではありません。
そのため、成年後見制度を考えるときには、財産管理と身上保護の両方を理解しつつ、「何を制度に任せられるのか」「何は家族や専門職、地域の支援が必要なのか」、を分けて考えることが重要です。
成年後見制度は「認知症になってから」検討するだけの話ではない
成年後見制度というと、「親が認知症になってから考えるもの」と思われがちです。しかし、本当に大切なのは、認知症になる前から制度の存在を知り、備え方を考えておくことです。
なぜならば、判断能力が充分にあるうちでなければ、選べない方法があるからです。その代表が、任意後見制度になります。
任意後見制度は、将来判断能力が低下したときに備えて、本人が元気なうちに「誰に支援してもらうか」「どのような財産管理をお願いするか」、を契約で決めておく制度です。
これは、すでに判断能力が低下してからでは利用できません。一方、判断能力が低下した後に利用するのが法定後見制度になります。
法定後見制度では、家庭裁判所が後見人などを選任します。家族が希望しても、必ずしも家族が選ばれるとは限りません。
つまり、元気なうちに備えるか、判断能力が低下してから対応するかで、本人の意思を反映できる度合いが大きく変わるのです。
ここが、このサイトのJT13、JT27、JT28と自然につながる重要な部分です。詳細なリンクは、この先に掲示してあります。
JT13では、親が認知症になる前に確認しておきたいことを整理しました。
JT27では、人生会議(ACP)を通して、本人の希望を家族で話し合う大切さを考えました。
JT28では、その話し合いをエンディングノートに残す意味を取り上げました。
JT29(この記事)では、その希望や財産管理を、必要に応じて制度面からどう支えるかを考えていきます。
人生会議やエンディングノートは、本人の思いを家族に伝えるために役立ちます。しかし、それだけで財産管理や契約手続きの、法的な権限が生まれるわけではありません。
だからこそ、必要に応じて、成年後見制度や任意後見制度を知っておくことが大切なのです。認知症への備えは、介護の準備だけではありません。お金、住まい、医療、介護、相続、家族関係を含めた総合的な準備です。
その中で成年後見制度は、本人の意思と財産を守るための重要な選択肢の一つになります。しかし、成年後見制度を早く利用すべきという意味ではありません。

大切なのは、「制度を知らないまま困ってから動く」のではなく、「元気なうちに選択肢として理解しておく」ことです。これが、家族にとっても本人にとっても、将来の安心につながります。
法定後見制度と任意後見制度の違いとは?

成年後見制度について調べ始めると、「法定後見制度」と「任意後見制度」という二つの言葉が出てきます。
どちらも判断能力が低下した人を支える制度ですが、利用するタイミングや後見人の選び方、本人の意思をどの程度反映できるかなど、大きな違いがあるのです。
この違いを理解しないまま制度を利用すると、「もっと早く任意後見制度を知っていればよかった」「家族が後見人になれると思っていた」と後悔することにもなりかねません。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラーなどの、資格取得の過程で学ぶ制度や事例でも、「判断能力が低下してからでは選択肢が限られてしまう」という点は、繰り返し取り上げられます。
制度を正しく理解することは、将来の不安を減らす第一歩です。
本章では、法定後見制度と任意後見制度の違い、それぞれの特徴や利用する際の考え方について解説します。
法定後見制度とは?判断能力が低下してから利用する制度
法定後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などによって、すでに判断能力が充分ではなくなった人を支援する制度です。
本人だけでなく、配偶者や子ども、兄弟姉妹などの親族、市区町村長などが家庭裁判所へ申し立てを行い、家庭裁判所が本人の状況を確認したうえで、成年後見人などを選任します。
ここで重要なのは、「家族が自動的に後見人になるわけではない」という点です。
以前は、親族が後見人に選ばれることも多くありましたが、近年では、本人の財産状況や家族間の事情などを総合的に判断し、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職が選任されるケースも増えています。
「長男だから」「同居しているから」、という理由だけで後見人になれるとは限らないことを知っておきましょう。また、法定後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて次の3種類があります。
後見
判断能力が、ほとんど失われている場合に利用されます。成年後見人には広い代理権が与えられ、本人に代わって預貯金の管理や契約などを行います。
保佐
判断能力が、著しく不充分な場合に利用されます。重要な法律行為については、保佐人の同意が必要になります。
補助
判断能力が、一部不充分な場合に利用されます。本人の能力を尊重しながら、必要な範囲だけ支援を行う制度です。
このように、法定後見制度は本人の状態に応じて、支援の内容が変わるよう設計されています。一方で、一度制度の利用が始まると、原則として本人の判断能力が回復しない限り終了しません。
そのため、「とりあえず利用して、必要がなくなったらやめればいい」、という制度ではないことも理解しておく必要があります。
任意後見制度とは?元気なうちに自分で備える制度
法定後見制度に対して、任意後見制度は、本人がまだ充分な判断能力を持っているうちに利用する制度です。
将来、認知症などで判断能力が低下したときに備え、「誰に支援をお願いするか」「どのような財産管理を任せたいか」、を自分自身で決めておくことができます。
任意後見制度では、信頼できる家族や親族、あるいは専門職などと公正証書による契約を結びます。そして、実際に判断能力が低下した時点で、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、契約の効力が発生するのです。
つまり、契約を結んだからといって、すぐに後見が始まるわけではありません。元気なうちは、これまでどおり自分で財産を管理し、自分で契約を行います。
判断能力が充分ではなくなったときに初めて、あらかじめ決めておいた人が本人を支える仕組みです。この制度の最大の特徴は、本人の意思を反映しやすいことにあります。法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選びます。
一方、任意後見制度では、「この人なら安心して任せられる」という相手を、自分で選ぶことができます。また、財産管理の方針についても、契約の中で、ある程度希望を伝えておくことも可能です。
ただし、任意後見制度にも注意点があります。本人の判断能力が充分に保たれている間しか契約できないため、認知症が進行してしまった後では利用できません。
そのため、「まだ元気だから必要ない」と考えているうちにタイミングを逃してしまうケースもあります。人生会議(ACP)やエンディングノートと同じように、元気な今だからこそ準備できる制度であることを知っておくことが大切です。
法定後見制度と任意後見制度を比較してみよう
ここまで見てきましたように、法定後見制度と任意後見制度は、どちらも判断能力が低下した人を支えるための制度ですが、その仕組みや考え方には大きな違いがあります。
一番大きな違いは、**「いつ準備する制度なのか」**という点です。法定後見制度は、すでに判断能力が低下した後に利用する制度です。一方、任意後見制度は、判断能力が充分にあるうちに将来へ備える制度です。
つまり、法定後見制度は「困ってから利用する制度」、任意後見制度は「困る前に準備しておく制度」と考えると分かりやすくなります。
次の表で、主な違いを整理してみましょう。
| 比較項目 | 法定後見制度 | 任意後見制度 |
| 利用する時期 | 判断能力が低下した後 | 判断能力があるうち |
| 後見人を決める人 | 家庭裁判所 | 本人 |
| 契約方法 | 家庭裁判所へ申立て | 公正証書による契約 |
| 本人の意思 | 反映されにくい場合もある | 反映しやすい |
| 利用開始 | 後見人選任後すぐ | 判断能力低下後に開始 |
| 主な目的 | 現在の生活を守る | 将来への備え |
この表を見ると、「任意後見制度のほうが優れている」と感じる方もいるかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。
たとえば、すでに認知症が進行している場合は、任意後見契約を新たに結ぶことはできません。その場合は、法定後見制度が本人を守るための大切な仕組みになります。
反対に、親がまだ元気で、自分の意思をしっかり伝えられるのであれば、任意後見制度という選択肢を検討できる可能性があるのです。
どちらが良いかではなく、「今の状況に合った制度を選ぶこと」が重要なのです。また、成年後見制度は相続対策を目的とした制度ではありません。
「将来の相続がスムーズになるように後見制度を利用したい」「財産を子どもに渡しやすくしたい」、という目的だけでは、本来の制度趣旨とは異なるのです。
成年後見制度は、あくまでも本人の生活や財産を守る制度です。そのため、相続や財産承継を考える場合には、遺言書や家族信託など、別の制度と組み合わせて検討することもあります。
制度にはそれぞれ役割があります。「どれか一つを利用すれば安心」というものではなく、それぞれの特徴を理解したうえで、自分や家族に合った方法を考えることが大切です。
40代・50代の今だからこそ制度を知る意味とは
「成年後見制度なんて、自分にはまだ関係ない」40代や50代の方の中には、そのように感じる方も少なくありません。
しかし、JT13「親が認知症になる前に確認したい5つのこと|40代から始める家族の備え」、でもお伝えしましたように準備は必要です。
その内容では、40代や50代のあなたには直接関係なくても、あなたの親の認知症はゆっくりと始まるものではなく、ある日を境に急に対応が必要になることもあります。
さらに、JT27「人生会議(ACP)とは?親が元気なうちに話しておきたい大切なこと」では、本人の希望を家族で共有することの大切さについて考えています。
そして、JT28「親のもしもに備えるエンディングノートの活用法|人生会議を形に残す方法」では、その話し合いを「記録」として残す意味をご紹介しました。
今回の成年後見制度は、それらの続きと同時のタイミングに位置付けられるテーマです。人生会議で本人の思いを確認し、エンディングノートに希望を書き残しても、それだけでは法的な代理権は生まれません。
たとえば、本人が「介護施設に入るときは長男に手続きをお願いしたい」とエンディングノートに書いていたとしても、それだけで長男が契約を代行できるわけではないのです。
また、「自宅を売却して介護費用に充ててほしい」と親が希望していても、本人の判断能力が失われた後では、その希望どおりに進められない場合もあります。
だからこそ、人生会議やエンディングノートとあわせて、「必要に応じてどのような制度を利用できるのか」を知っておくことが重要になるのです。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラーなどの資格取得の過程では、高齢期の生活設計や財産管理に関する多くの事例を学びます。
その中で共通しているのは、「制度を知らなかったこと」が家族の負担を大きくしてしまうケースが多いということです。
反対に、制度を正しく理解し、元気なうちから家族で話し合っていたケースでは、介護や財産管理の場面でも落ち着いて対応できることが多いとされています。もちろん、すべての家庭が成年後見制度を利用する必要ではありません。
しかし、「利用するかどうか」を判断するためにも、制度の存在や特徴を知っておくことは大きな意味があります。40代・50代は、親の老後と自分自身の将来を同時に考え始める年代です。
成年後見制度で、できること・できないこと

成年後見制度について調べている方の多くが、「後見人はどこまでできるのだろう」「家族の代わりに何でもやってくれるのだろうか」、と疑問を持たれます。
確かに、成年後見制度は本人の財産や生活を支えるための重要な制度ですが、その権限には法律で定められた範囲があるのです。
そのため、「後見人がいるから安心」と思っていたことが実際にはできなかったり、反対に家族だけでは対応できなかったことが、後見人なら可能だったりすることもあります。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラーなどの、資格取得の過程で学ぶ事例でも、「成年後見制度を誤解していたために、家族が困ってしまったケース」は少なくありません。
制度を正しく理解しておくことが、将来の混乱を防ぐ第一歩にもなるのです。
本章では、成年後見制度でできることと、法律上できないことを具体例とともに分かりやすく解説しましょう。
成年後見制度でできること① 預貯金や財産の管理
成年後見制度の最も重要な役割の一つが、本人の財産を適切に管理することです。
認知症が進行すると、お金の管理が難しくなり、通帳や印鑑をなくしてしまったり、同じ支払いを何度もしてしまったり、反対に必要な支払いを忘れてしまったりすることがあります。
また、悪質な訪問販売や詐欺被害に遭い、高額な契約を結んでしまうケースも少なくありません。成年後見人は、このような事態から本人の財産を守るため、法律で認められた範囲で財産管理を行うのです。
たとえば、次のようなことが挙げられます。
- 預貯金の管理
- 年金や各種給付金の受け取り
- 公共料金や税金の支払い
- 医療費・介護費用の支払い
- 不動産の管理
- 必要に応じた契約の締結
いずれも、「本人の生活を守るため」という目的で行われるのです。
ここで誤解してはいけないのは、「後見人は自由にお金を使える人ではない」ということです。たとえば、本人の預金を家族へ贈与したり、相続税対策として財産を移したりすることは、原則として認められていません。
後見人は、本人の利益を第一に考えて財産を管理する義務があります。そのため、毎日の収支や財産の状況について記録を残し、必要に応じて家庭裁判所へ報告を行います。
家族は、「親のお金だから家族が自由に管理できる」という考え方ではなく、「親本人の財産を法律に基づいて守る」という視点が、成年後見制度の基本なのです。
成年後見制度でできること② 生活や介護に関する契約手続き
成年後見制度には、「身上保護」という役割があります。「保護」という言葉から、後見人が介護や看護を直接行うような印象を受けるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
身上保護とは、本人が安心して生活できるように、必要な契約や手続きを法律面から支援することを意味します。
たとえば、認知症が進行し、自宅での生活が難しくなった場合には、介護施設への入所を検討することもあるでしょう。
その際には、施設との契約や費用の支払い、介護サービスの利用契約など、さまざまな手続きが必要になります。
本人が契約内容を理解できない状態では、こうした契約を本人だけで結ぶことはできません。そのため、成年後見人が本人に代わって契約を行い、生活環境を整える役割を担うのです。
具体的には、次のような支援が考えられます。
- 介護施設への入所契約
- 介護保険サービスの利用契約
- 福祉サービスの契約
- 病院への入院手続き
- 必要な生活用品の契約や支払い
これらはいずれも、「本人が安心して生活を続けるため」に必要な法律行為です。
一方で、介護施設への送迎や、食事・入浴・排泄などの日常的な介護は、成年後見人の役割ではありません。そのため、実際の介護は家族や介護職員、ケアマネジャーなど、多くの人が連携しながら支えていくことになります。
成年後見制度は、生活そのものを直接支える制度ではなく、「生活を支えるための契約や手続きを法的に支援する制度」と理解すると分かりやすいでしょう。
成年後見制度でできないこと 意外と多い制度の限界
成年後見制度は、本人の財産や生活を法律面から支える重要な制度ですが、「後見人がいれば何でもできる」というわけではないのです。
実際には、制度の役割には明確な限界があります。この点を理解していないと、「後見人がいるのに、なぜできないのだろう」と戸惑うことにもなりかねません。
とくに、誤解されやすいものを見ていきましょう。
延命治療や医療行為への同意
成年後見人には、本人に代わって手術や延命治療へ同意する権限はありません。
たとえば、
- 人工呼吸器を装着するか
- 胃ろうを造設するか
- 心肺蘇生を希望するか
といった医療上の重要な判断は、成年後見制度だけでは決められません。
だからこそ、JT27で取り上げた**人生会議(ACP)**が重要になります。本人が元気なうちに、自分の希望を家族や医療・介護関係者と話し合っておくことが、後になって家族が迷わないための大切な備えになります。
遺言書を作成すること
遺言書は、親本人自身の意思によって作成するものです。そのため、成年後見人が本人に代わって遺言書を書くことはできません。
つまり、「親が認知症になったから、代わりに遺言書を作ろう」ということは認められていません。相続について考えるのであれば、親の判断能力が充分にあるうちに準備しておくことが重要なのです。
相続放棄や遺産分割を自由に進めること
成年後見人は、本人が相続人になった場合の手続きを行うことがあります。しかし、その内容は本人の利益を最優先に判断しなければなりません。
たとえば、「家族の希望だから相続放棄をする」「兄弟で話し合ったから財産を譲る」、といった判断はできないのです。
必要に応じて、家庭裁判所の許可が必要になる場合もあり、後見人が自由に判断できるわけではありません。
身元保証人になること
介護施設や病院では、身元保証人を求められることがあります。しかし、成年後見人は原則として身元保証人にはなれません。
身元保証人には、
- 入院費や施設利用料の支払い
- 緊急時の連絡
- 退院・退所時の対応
など、法律上の代理とは異なる責任が求められるためです。
そのため、成年後見制度を利用していても、身元保証については別に考える必要があります。
介護や日常生活のお世話
成年後見人は、本人の生活を支える契約を行いますが、実際の介護を行うわけではありません。
たとえば、
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 通院の付き添い
- 買い物
- 掃除や洗濯
などは成年後見人の仕事ではありません。
これらは家族や介護サービス、地域の支援など、多くの人が協力して支えていくことになります。
つまり、成年後見制度だけですべての問題が解決するわけではなく、介護保険制度や地域包括支援センターなどの支援と組み合わせて考えることが大切なのです。
制度を正しく理解し、家族で早めに話し合うことが何よりの備え
ここまで見てきましたように、成年後見制度は認知症などによって、判断能力が低下した方の生活や財産を守るための大切な制度です。
しかし、その一方で、できることと、できないことが明確に決められており、決して万能な制度ではありません。
だからこそ、「成年後見制度さえ利用すれば安心」と考えるのではなく、家族全体で将来の備えを考えることが重要になるのです。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラー、介護職員初任者研修及び福祉用具専門相談員や福祉住環境コーディネータなどの資格取得の過程では、高齢者支援に関するさまざまな制度や事例を学びます。
その中で繰り返し感じるのは、制度そのものよりも、家族が事前に話し合っていたかどうかが、その後の対応を大きく左右するということです。
たとえば、「もし認知症になったら、誰に相談したいのか」「介護施設へ入ることになったら、どのような生活を望むのか」「大切な財産は、どのように管理してほしいのか」というような疑問も生まれるでしょう。
こうした思いを元気なうちに家族で共有しておくだけでも、いざというときの迷いは大きく減ります。これは、JT27でご紹介しました**人生会議(ACP)**の考え方そのものなのです。
また、話し合った内容をJT28でご紹介しましたエンディングノートに記録しておけば、本人の希望を家族全員で確認しやすくなれます。
そして、その希望を法的な仕組みで支える必要がある場合に、成年後見制度や任意後見制度という選択肢があることを知っておけば、慌てずに対応しやすくなるでしょう。
成年後見制度は、「認知症になってから考える制度」ではありません。**「まだ元気だからこそ知っておく制度」**なのです。40代・50代は、親の将来と自分自身の老後を同時に考え始める年代です。
制度を利用するかどうかは、そのときの状況によって異なります。しかし、制度を知らないまま時間だけが過ぎてしまうことは、大きな機会損失にもなりかねません。

今すぐ成年後見制度を利用する必要がなくても、「こんな制度がある」「こんなときに役立つ」、という知識を持っておくことが、家族全員の安心につながる第一歩ではないでしょうか。
成年後見制度を利用するメリットと注意点

成年後見制度について調べると、「認知症になったら利用したほうがよい制度」「家族の負担を軽くしてくれる制度」、と紹介されていることが少なくありません。
もちろん、それは間違いではありません。しかし、成年後見制度には大きなメリットがある一方で、一度利用を始めると途中で簡単にはやめられないなど、事前に理解しておきたい注意点もあります。
そのため、「周りに勧められたから」「認知症になったから、とりあえず利用しよう」、と考えるのではなく、制度の特徴を充分に理解したうえで判断することが大切です。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラーなどの資格取得の過程でも、高齢者支援制度を学ぶ際には、制度のメリットだけでなく、利用後の影響についてもあわせて学びます。
制度は、使うこと自体が目的ではなく、親本人にとって本当に必要かどうかを考えることが重要だからです。
本章では、成年後見制度を利用するメリットと、利用前に知っておきたい注意点について解説します。
成年後見制度を利用する三つのメリット
成年後見制度の最大の目的は、判断能力が低下した本人の権利や財産を守ることです。その中でも、大きなメリットとして挙げられるのは、次の三つです。
財産を安全に管理できる
認知症になると、お金の管理が難しくなり、不要な契約や詐欺被害に遭う危険性が高まります。
成年後見人が財産管理を行うことで、生活費や医療費、介護費用などを適切に管理し、本人の財産を守ることができます。とくに、一人暮らしの高齢者や、家族が遠方に住んでいる場合には、大きな安心につながるでしょう。
必要な契約や手続きを進められる
介護施設への入所、介護保険サービスの利用、福祉サービスの契約など、認知症になると本人だけでは進めることが難しい手続きがあります。
成年後見人には、本人に代わって契約を行う権限があるため、必要な介護や医療を受けやすくなります。これは、本人の生活を支えるうえで大きな役割を果たします。
家族だけで抱え込まなくてよい
親の認知症が進むと、家族は介護だけでなく、お金や契約、行政手続きなど、さまざまな問題に直面します。
成年後見制度を利用することで、法律上の手続きを適切に進められるようになり、「何をどうしたらよいか分からない」、という不安を軽減しやすくなれます。
もちろん、成年後見人が介護を代わってくれるわけではありません。しかし、法律や財産管理の面で支えがあることで、家族は介護や本人との時間により多くの力を注げるようになれます。
知っておきたい注意点 法定後見制度は一度始まると簡単には終わらない
成年後見制度には多くのメリットがありますが、その一方で利用前に理解しておきたい注意点もあります。その代表が、「一度利用を開始すると、原則として途中でやめられない」という点です。
法定後見制度は、本人の判断能力が回復しない限り終了しません。認知症の場合、判断能力が大きく回復することは一般的には少ないため、多くの場合は本人が亡くなるまで制度が続くことになります。
また、成年後見人には家庭裁判所への報告義務があります。財産の管理状況や収支などを定期的に報告し、本人の利益を最優先に財産を管理していきます。
これは、後見人による不正を防ぐための大切な仕組みですが、一方で、「家族だから自由に管理できる」と考えていた方にとっては、想像以上に厳格な制度だと感じるかもしれません。
さらに、専門職が成年後見人に選任された場合には、その報酬が本人の財産から支払われます。
報酬額は、家庭裁判所が本人の財産状況や、業務内容などを考慮して決定しますが、制度を利用する際には、このような継続的な費用が発生することも理解しておく必要があるのです。
しかし、こうした仕組みは、本人の権利や財産を長期にわたって守るために設けられています。メリットだけを見るのではなく、制度の特徴を正しく理解したうえで利用を検討することが、後悔しない選択につながるでしょう。
成年後見制度が向いているケースと慎重に考えたいケース
成年後見制度は、すべての家庭で利用すべき制度というわけではありません。大切なのは、「成年後見制度が必要な状況なのか」「ほかの方法も含めて検討したほうがよいのか」、を家族で冷静に考えることです。
たとえば、次のようなケースでは、成年(法定)後見制度の利用を検討する意義が大きいと考えられます。
- 認知症が進行し、自分でお金の管理ができなくなっている
- 悪質商法や詐欺被害に遭う心配がある
- 介護施設への入所契約など、本人だけでは難しい法律行為が必要になっている
- 身近に財産管理を任せられる家族がいない
- 家族間で財産管理について意見が分かれている
このような状況では、成年後見制度によって本人の財産や権利を守りやすくなります。
一方、親がまだ充分な判断能力を保っており、自分の意思をはっきり伝えられるのであれば、慌てて法定後見制度を利用する必要はありません。
成年後見制度以外にも、本人の希望や財産を守るための方法はいくつかあります。それぞれの制度には役割や特徴が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。
もちろん、それぞれの制度には特徴や利用条件があり、「どれが一番良い」と一概には言えません。
だからこそ、「成年後見制度を利用するかどうか」を最初に考えるのではなく、「親が安心して生活を続けるためには、どのような備えが必要なのか」という視点から考えることが大切になります。
制度は目的ではなく、本人の暮らしを支えるための手段なのです。
人生会議・エンディングノート・成年後見制度を組み合わせて考える
JT27では、**人生会議(ACP)**についてご紹介しました。人生会議とは、将来の医療や介護について、本人の希望を家族や医療・介護関係者と話し合う取り組みです。
そして、JT28では、その話し合いをエンディングノートに記録として残すことの大切さをお伝えしました。今回取り上げている成年後見制度は、それらとは役割が異なります。
人生会議は、「本人の思いを共有すること」が目的です。エンディングノートは、「本人の思いを書き残すこと」が目的です。
成年後見制度は、「判断能力が低下した後も、本人の財産や生活を法律面から支えること」が目的です。つまり、それぞれは競合するものではなく、互いに補い合う関係にあります。
たとえば、人生会議で「住み慣れた地域で暮らしたい」という希望を話し合い、その内容をエンディングノートにまとめておけば、家族は本人の思いを共有しやすくなるのです。
さらに、将来判断能力が低下した場合には、成年後見制度などの法的な仕組みを活用することで、その希望を実現しやすくなることがあります。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラー、介護職員初任者研修などの資格取得の過程では、高齢者支援に関する多くの制度や事例をたくさん学びます。その中で感じるのは、一つの制度だけですべての問題を解決することは難しいということです。
大切なのは、それぞれの制度の役割を理解し、必要に応じて組み合わせながら活用することです。40代・50代は、親の将来について家族で話し合える貴重な時期でもあります。
「まだ元気だから大丈夫」と先送りするのではなく、元気だからこそ話し合えることがあります。成年後見制度を学ぶことは、制度を利用するためだけではありません。
ファイナンシャル・プランナー(AFP)・終活カウンセラーの学びから伝えたい 成年後見制度だけに頼らない認知症への備え

認知症への備えというと、多くの方は成年後見制度のような法的な仕組みに目が向きがちです。
もちろん、成年後見制度は判断能力が低下した方の財産や生活を守るために欠かせない制度の一つです。しかし、これまで見てきましたように、成年後見制度だけですべての問題を解決できるわけではありません。
大切なのは、一つの制度に頼るのではなく、本人の思いや家族の状況に合わせて、さまざまな備えを組み合わせて考えることです。
私はファイナンシャル・プランナー(AFP)や終活カウンセラー、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター、福祉用具専門相談員などの資格取得の過程で、高齢者支援や終活に関する制度、多くの事例について学んできました。
その中で強く感じるのは、「制度を知っていること」と同じくらい、「家族で話し合っていること」が重要だということです。
制度は、本人や家族を支えるためのツールです。しかし、そのツールをどのように使うかは、それぞれの家庭によって異なります。
本章では、成年後見制度だけに頼らない認知症への備えについて、家族で今からできることを考えていきましょう。
制度より先に「本人の思い」を知ることが大切
認知症への備えを考えるときには、最初に確認したいのは制度ではありません。一番大切なのは、親本人が、どのようなこの先の人生を望んでいるのかという思いです。
たとえば、
- できるだけ自宅で暮らしたい
- 介護が必要になったら施設へ入りたい
- 財産は生活のために使ってほしい
- 子どもたちに迷惑をかけたくない
こうした希望は、人によって大きく異なります。
制度は、その希望を支えるために存在しています。反対に、本人の思いを確認しないまま制度だけを利用すると、「本人が本当に望んでいた生活」、と違う方向へ進んでしまう可能性もあるのです。
だからこそ、まずは家族で話し合うことから始めることが、何よりも大切になります。
人生会議とエンディングノートが備えの土台になる
本人の思いを確認するために役立つのが、JT27でご紹介しました**人生会議(ACP)**です。人生会議では、医療や介護だけでなく、生活や財産、家族への思いについても話し合うことができます。
そして、その内容を書き残す方法として役立つのが、JT28でご紹介したエンディングノートです。エンディングノートには法的な効力はありません。
しかし、本人がどのような暮らしを望み、どのような価値観を大切にしているのかを家族が理解するための、とても大切な記録になります。
成年後見制度を利用する場面になったとしても、本人の思いが家族に伝わっていれば、判断に迷う場面を減らすことができるでしょう。制度だけでは補えない部分を、人生会議やエンディングノートが支えてくれるのです。
40代・50代は親と自分の将来を考え始めるタイミング
「まだ親は元気だから。」「認知症なんて、もっと先の話だろう。」そのように感じている方も多いかもしれません。
しかし、40代・50代は、親の老後について考え始めると同時に、自分自身の老後についても準備を始める年代です。親の介護や財産管理を経験した方の多くが、「もっと早く話し合っておけばよかった」と振り返ります。
だからこそ、今のうちから少しずつ話し合いを始めておくことが大切です。話し合いは、一度ですべて決める必要はありません。
帰省したときや家族が集まる機会に、「もし将来介護が必要になったらどうしたい?」そんな一言から始めるだけでも充分です。大切なのは、話し合いを始めることです。
制度を知ることは、家族を守ることにつながる
成年後見制度は、認知症になったときのためだけの制度ではありません。制度を知ることは、本人の希望を尊重し、家族が安心して支え合うための準備でもあります。
認知症への備えには、
- 家族で話し合うこと
- 人生会議(ACP)を行うこと
- エンディングノートに思いを書き残すこと
- 必要に応じて成年後見制度を検討すること
こうした一つひとつの積み重ねが大切です。
どれか一つだけで充分ということではありません。それぞれの役割を理解し、家庭の状況に合わせて準備を進めていくことが、将来の安心につながります。
「まだ早い」と思っている今こそが、実は最も準備を始めやすい時期なのかもしれません。親が元気な今だからこそ話せることがあるのです。

そして、その時間は、家族にとって何よりも大切な財産になるのではないでしょうか。
制度や介護の備えだけでなく、趣味や生きがいを持ちながら心豊かに歳を重ねることも、人生の後半の大切な準備です。鉛筆画を通して人生を豊かにするヒントについては、こちらの記事もご覧ください。 LS300「なぜ鉛筆画を描くと人生が豊かになるのか?上達だけではない7つの魅力!」
成年後見制度とあわせて、施設入所時に問題になりやすい身元保証人についても確認しておくと安心です。 JT30「身元保証人がいないと施設に入れない?おひとりさま時代の備え方」
まとめ

成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下した方の、財産や生活を守るための重要な制度です。しかし、その役割は万能ではありません。
財産管理や契約手続きなどを支えることはできますが、医療行為への同意や介護そのもの、身元保証など、制度だけでは対応できないことも数多くあります。
だからこそ、認知症への備えは成年後見制度だけで考えるのではなく、家族で話し合い、本人の思いを共有し、必要に応じて人生会議(ACP)やエンディングノートも活用しながら進めていくことが大切です。
今回ご紹介しました内容を振り返ると、認知症への備えとして意識したいポイントは次の5つです。
- 成年後見制度は、本人の権利と財産を守るための制度であることを理解する。
- 法定後見制度と任意後見制度の違いを知り、元気なうちから選択肢を考えておく。
- 成年後見制度で、できること・できないことを正しく理解する。
- 制度だけに頼らず、家族で将来について話し合う時間を持つ。
- 人生会議(ACP)やエンディングノートも活用しながら、本人の思いを大切にした備えを進める。
認知症への備えは、「何かが起きてから始めるもの」ではありません。
親が元気な今だからこそ話せること、決められることがあります。今日の小さな一歩が、将来の大きな安心につながります。ぜひ、ご家族と一緒に、これからの暮らしについて話し合う時間をつくってみてはいかがでしょうか。
認知症への備えは、制度を知るだけでは充分ではありません。
親が元気な今だからこそ、人生会議(ACP)やエンディングノートを通じて、ご家族で将来について話し合うことが大切です。
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私自身も、起業や転職、失敗や挑戦を繰り返しながら、人生の後半を少しずつ整えてきました。このサイトでは、その経験や学びをもとに、人生の後半を穏やかに充実させるヒントを発信しています。
この記事を書いた人
中山眞治
人生の後半を整えるアドバイザー
ファイナンシャル・プランナー(AFP)・終活カウンセラーなどの資格と人生経験をもとに、 40代以降の人生を「整えながら生きる」ための情報を発信しています。
プロフィールはこちら人生の後半とは、遅すぎるのではなく、これからの人生を整えていける時間がまだ充分にあります。あなたらしい歩み方を見つけるヒントになれば幸いです。

