こんにちは。人生の後半を穏やかに整えるヒントを発信している、中山眞治です。

筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に
「まだ親は元気だから大丈夫」そう思っているうちに、突然やってくるのが認知症です。認知症は、ある日突然始まるわけではありません。
しかし、症状が進んでからでは本人の意思の確認が難しくなり、介護や財産管理、住まいの問題などで、家族が大きな負担を抱えるケースも少なくありません。
実際に多くの人が、「もっと早く話しておけばよかった」「元気なうちに確認しておけばよかった」と後悔しています。だからこそ大切なのは、親が元気な今のうちに少しずつ備えを始めることです。
この記事では、40代から知っておきたい認知症への備えとして、親が認知症になる前に確認しておきたい5つのポイントを解説します。
なぜ認知症になる前の準備が重要なのか

認知症への備えというと、多くの人は「まだ先の話」と考えがちです。しかし、実際には親が元気なうちにしかできない準備が数多く存在します。
本章では、なぜ早めの準備が必要なのかを考えていきましょう。
親の認知症への備えを考えることは、家族のこれからを整える大切な一歩です。
介護・相続・住まい・人生整理について、40代から少しずつ準備しておきたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
認知症は誰にでも起こり得る身近な問題
認知症という言葉を聞くと、特別な病気のように感じる人もいるかもしれません。しかし実際には、高齢になるにつれて、誰もが向き合う可能性のある身近な問題です。
現在、日本では高齢化が進み、認知症患者数も増加傾向にあります。親が70代、80代に入ると、認知症のリスクは決して他人事ではありません。
もちろん、すべての人が認知症になるわけではありません。しかし重要なのは、「ならないだろう」と考えるのではなく、「なった場合にどう備えるか」を考えておくことが必要になります。
台風や地震への備えと同じで、実際に起きる前に準備しておくからこそ、被害を減らせます。認知症もまた、事前の準備によって、家族の負担を大きく減らせる問題なのです。
判断能力が低下すると手続きが難しくなる
認知症の大きな問題の一つが、本人の判断能力が低下することです。
例えば、
- 銀行口座の手続き
- 不動産の売却
- 介護施設との契約
- 保険の見直し
などは、原則として本人の意思確認が必要です。
ところが、認知症が進行すると、本人の判断能力が充分でないと判断される場合があります。その結果、家族が代わりに手続きを進めたくても、できないケースが発生します。
こうした事態を避けるためにも、元気なうちに情報を整理し、必要な制度について知っておくことが大切です。
家族の負担を大きく左右する
認知症になると、本人だけではなく、家族にも大きな影響があるのです。
介護の負担はもちろんですが、「お金はどこにあるのか」「保険には入っているのか」「どんな介護を望んでいるのか」が分からないと、家族は多くの不安を抱えることになります。
逆に、事前に話し合いができていれば、家族は迷わず行動できます。認知症への備えは、親のためだけではなく、家族全員の安心につながる準備でもあるのです。
「まだ早い」が一番危険な理由
多くの人が、準備を先延ばしにする理由は、「まだ元気だから」です。しかし、認知症の備えは元気なうちしかできないのです。
症状が出てからでは、「もっと早く話しておけばよかった」という後悔につながることが少なくありません。
子供世代の40代は、親もまだ比較的元気で、冷静に話し合える時期です。

備えを始めるには、決して早すぎることはありません。むしろ、最も適したタイミングだと考えるべきでしょう。
親のお金と財産の状況を把握しておく

認知症への備えを考えるうえで、最も重要なテーマの一つが「お金と財産」です。実際に親が認知症になった後で、家族が最も困りやすいのが財産の管理に関する問題です。
親の預貯金や年金、保険、不動産などの状況が分からないままでは、介護費用の準備や今後の生活設計にも支障が出てしまいます。
本章では、親が元気なうちに少しずつ確認しておくことが、将来の安心につながる点につて解説しましょう。
預貯金や年金の確認
まず、確認しておきたいのが、親の収入と預貯金の状況です。多くの家庭では、親がお金の話をしたがらない傾向があります。
しかし、介護や医療が必要になった場合に、どの程度の費用を負担できるのかを知っておくことは非常に重要です。親の貯えが少なければ、子供世代が負担することになるからです。
確認したい内容としては、
- 年金の受給額
- 主な銀行口座
- 定期預金の有無
- 証券口座の有無
- 毎月の生活費
などがあります。
ここで大切なのは、細かい金額を聞き出すことではありません。まずは、「どこに何があるのか」を把握することです。
たとえば、複数の銀行口座があることを家族が知らず、亡くなった後に相続手続きで苦労するケースは珍しくありません。親のプライドに配慮しながら、「もしもの時に困らないため」という視点で話し合うことが大切です。
不動産や保険の整理
次に確認したいのが、不動産と保険です。実家が土地や建物を所有している場合には、その権利関係を把握しておく必要があります。
たとえば、
- 土地と建物の名義
- 住宅ローンの有無
- 固定資産税の状況
- 賃貸物件の所有状況
などです。
また、生命保険や医療保険についても整理しておきましょう。高齢になると、保険内容を忘れてしまうこともあります。
介護や入院時に、保険金を請求できるにもかかわらず、家族が存在を知らなかったために、受け取れなかったという例もあります。保険証券や、契約内容を一か所にまとめておくだけでも、将来の手続きは大幅に楽になるのです。
通帳・印鑑・重要書類の保管場所
親が認知症になった後で、家族が困ることの代表例が、「どこに何があるのか分からない」という問題です。預金通帳や実印、保険証券、不動産の権利書などが見つからず、手続きに長い時間を費やさざるを得ないこともあります。
そのため、
- 通帳
- 印鑑
- 年金関係書類
- 保険証券
- 不動産関係書類
- マイナンバーカード
- 各種契約書
などの保管場所を確認しておくことが大切です。
もちろん、家族が勝手に管理を始めることではありません。「もし何かあった時のために、どこに保管しているかだけ教えてほしい」という形で話を進めると、受け入れてもらいやすくなります。
エンディングノートを活用すれば、こうした情報をまとめて残すこともできます。 JT8「親が元気なうちに話しておきたいお金と相続の基本|家族が困らないための準備」で取り上げましたエンディングノートとの相性も非常に良いテーマです。
家族信託や任意後見制度を知っておく
認知症対策として、近年注目されているのが、家族信託と任意後見制度です。家族信託とは、親が元気なうちに、財産管理を信頼できる家族へ託す仕組みです。
一方の、任意後見制度は、将来判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ後見人を決めておく制度になります。
これらの制度を活用すると、
- 預金管理
- 不動産管理
- 介護費用の支払い
- 契約手続き
などを円滑に進めやすくなれるのです。
もちろん、すべての家庭で活用が必要なわけではありません。しかし、「そんな制度がある」という知識を持っているだけでも大きな違いが生まれます。
とくに、JT7「親が元気なうちに話しておきたいお金と相続の基本|家族が困らないための準備」で取り上げた相続問題とも深く関係するため、認知症への備えを考える際には一度確認しておく価値があるのです。
親のお金や財産の話は、どうしても切り出しにくいものです。しかし、認知症になってからでは確認できなくなる可能性があります。
大切なのは、財産を把握することではなく、親の意思を尊重しながら家族が困らない環境を整えておくことです。
介護と医療について家族で話し合う

認知症への備えというと、お金や相続の問題に目が向きがちですが、それと同じくらい重要なのが介護と医療に関する話し合いです。
実際に、親の認知症が進行した後で家族が最も悩むのは、「本人が本当はどうしたかったのか分からない」という問題ではないでしょうか。
本章では、元気なうちに親の考えを聞いておくことは、将来の介護や医療の判断を支える大切な備えになる点について解説します。
介護が必要になったときの希望
認知症が進行すると、日常生活に支援が必要になる場合があります。そのときに家族が困るのが、「どんな介護を望んでいたのか」が分からないことです。
たとえば、
- できるだけ自宅で暮らしたい
- 施設に入ることも考えている
- 子どもに迷惑をかけたくない
- 介護サービスを利用したい
など、人によって考え方は大きく異なります。
ところが、多くの家庭では、こうした話題を避けてしまいがちです。親も子も「まだ先の話」と考えたいためです。
しかし、介護が必要になってからでは、本人の意思を充分に確認できない可能性があります。だからこそ、何気ない会話の中で、「もし将来介護が必要になったらどうしたい?」と聞いてみることが大切になります。
正解を出す必要はありません。まずは親の考えを知ることが第一歩なのです。
施設と在宅介護の考え方
介護について話し合う際に避けて通れないのが、施設介護と在宅介護の問題です。多くの人は、「できれば自宅で暮らしたい」と考えています。
しかし現実には、認知症の進行状況や家族の事情によっては、施設入所が必要になることもあります。ここで重要なのは、施設か自宅かという二択で考えないことです。
たとえば、
- 最初は自宅で介護する
- 状況によって施設を利用する
- デイサービスを活用する
など、さまざまな選択肢があります。
家族だけで介護を抱え込もうとすると、介護離職や精神的負担につながることもあるのです。
JT5「40代から考えておきたい親の介護|慌てないために今できる5つの準備」でも触れましたように、介護は家族だけで解決するものではありません。
公的サービスや、地域支援を活用する前提で考えることが大切です。
延命治療や医療方針の確認
親が元気なうちに、話し合っておきたいテーマとして、医療に関する希望もあります。とくに、難しい問題が延命治療です。
たとえば、
- 人工呼吸器を希望するか
- 胃ろうを希望するか
- 積極的な治療を望むか
- 自然な最期を希望するか
など、人によって考え方は異なります。
もちろん、このような話題は、決して楽しいものではありません。しかし、実際に判断を迫られる場面では、家族が大きな精神的負担を抱えることになるのです。
もしも、親の意思を事前に聞いていれば、「本人が望んでいたことを尊重しよう」という判断ができます。これは、家族にとっても大きな支えになります。
最近では、人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)という考え方も広がっています。元気なうちから医療や、介護について話し合う取り組みです。認知症への備えとしても、非常に有効な考え方といえるでしょう。
兄弟姉妹の役割分担を考える
介護問題で、家族関係が悪化する原因の一つが、役割分担の曖昧さです。
たとえば、
- 介護をする人
- 病院に付き添う人
- お金の管理をする人
- 施設探しを担当する人
など、それぞれができることは異なります。
しかし、事前に話し合いがないと、「自分ばかり負担している」という不満が生まれやすくなります。とくに、兄弟姉妹がいる家庭では、「誰が何を担当するのか」を早めに話し合っておくことが重要です。
もちろん、将来の状況は変わる可能性があります。それでも、「介護は家族全員で支えるもの」という共通認識を持つだけで、大きな違いが生まれます。
親が元気なうちに、家族会議を開いてみるのもよいでしょう。介護や医療の話題は、重く感じられるかもしれません。しかし、本当に大変になるのは、認知症が進行してからなのです。

元気な今だからこそ、親の希望を聞き、家族で共有しておくことができます。その積み重ねが、将来の迷いや後悔を減らし、家族全員の安心につながります。
住まいと生活環境を見直しておく

認知症への備えを考えるときには、お金や介護の話題に目が向きがちですが、実は住まいと生活環境の見直しも非常に重要です。
認知症になると、これまで問題なく暮らしていた家の中にも、多くの危険が潜むようになります。また、一人暮らしを続けることが難しくなるケースもあります。
本章では、親が元気なうちに住まいについて考えておくことで、将来の選択肢を広げることができる点について解説しましょう。
実家の安全性を確認する
認知症になると、判断力や注意力が低下するため、家庭内での事故が増える傾向があります。
たとえば、
- 段差で転倒する
- ガスの消し忘れ
- 火の不始末
- 浴室での事故
- 夜間の転倒
などが代表的です。
若い頃には何でもなかった段差でも、高齢になると大きな危険になります。
そのため、
- 玄関の段差
- 階段の手すり
- 浴室の滑りやすさ
- 廊下の照明
などを確認しておくことが大切です。
とくに、築年数の古い住宅では、安全面に課題を抱えている場合も少なくありません。認知症になる前の段階で、住環境を整えておくことで、転倒事故やケガのリスクを減らすことができます。
筆者の、福祉住環境コーディネーターの視点からも、早めの住環境整備は、介護予防の大切な取り組みの一つです。
覚えておいてください。年配者は、カーペットや絨毯の1~2cmの段差でも転倒してしまうことがあるのです。また、転倒することによって、手首付近や大腿骨まで骨折することは珍しくありません。
そして、一旦そのような事故が起こると、一定期間寝たきりになることで、認知症が急速に進んでしまうというリスクも考えておく必要があるのです。このような観点からも、住環境の整備は重要になります。
一人暮らしリスクを考える
親が一人暮らしの場合は、さらに慎重な検討が必要になるのです。
認知症が進行すると、
- ゴミ出しができなくなる
- 買い物を忘れる
- 同じ物を何度も購入する
- 薬の飲み忘れ
- 電話や訪問販売からの被害
などの問題が起こりやすくなります。
とくに最近は、特殊詐欺の被害も増えており、判断能力の低下した高齢者が狙われるケースもあります。家族が遠方に住んでいる場合には、「まだ大丈夫だろう」と思い込みたいものです。
しかし実際には、近所の人の指摘や地域包括支援センターからの連絡によって、問題が発覚することもあります。
認知症の初期症状は、家族よりも周囲の人が先に気付く場合もあるため、地域とのつながりも大切にしたいところです。
見守りサービスの活用
近年は、高齢者向けの見守りサービスも充実しています。
たとえば、
- 見守りセンサー
- 緊急通報サービス
- 宅配を利用した見守り
- スマートフォンの位置確認
- 自治体の見守り事業
などがあるのです。
こうしたサービスを活用すると、離れて暮らす家族も安心感を得られます。もちろん、すぐに導入する必要はありません。しかし、「将来的にはこういう方法もある」と知っておくだけでも、選択肢が広がります。
また、認知症が進行してから慌てて探すのではなく、元気なうちに本人と一緒に検討しておくことで、導入への抵抗感も少なくなるのです。
高齢な親の、自立を支えながら安全を確保するために、見守りサービスは今後ますます重要になるでしょう。
将来の住み替えも視野に入れる
認知症への備えとして、将来的な住み替えについて考えておくことも重要です。多くの人は、「最後まで今の家に住みたい」と考えています。その気持ちは、当然尊重されるべきです。
しかし、
- 階段が多い
- 交通の便が悪い
- 病院が遠い
- 買い物が不便
といった環境では、将来的に生活が難しくなる場合があります。
選択肢としては、
- 子どもの近くへ移る
- 高齢者向け住宅を検討する
- サービス付き高齢者向け住宅を利用する
- 介護施設を選択肢に入れる
などがあります。
ここで大切なのは、「今すぐ決める」ことではありません。あくまでも、将来の可能性として話し合っておくことです。
認知症が進行してから、急いで住み替え先を探すよりも、元気なうちに選択肢を共有しておく方が、本人の意思も反映しやすくなります。
JT6「親の介護が気になり始めたら|40代から始める実家の片付けと住まいの整理術」でも触れましたように、住まいは単なる建物ではなく、これからの暮らし方そのものに関わる問題です。
住まいの問題は、認知症になってから考えるには、大きすぎるテーマです。だからこそ、親が元気なうちに、実家の安全性や将来の暮らし方について、少しずつ話し合っておくことが大切になります。
住環境を整えることは、親の安心だけでなく、家族全員の安心にもつながるのです。
家族が後悔しないために今からできること

認知症への備えについて、お金、介護、住まいなどさまざまな視点から見てきました。しかし、どれほど制度や知識を学んでも、最も大切なのは家族同士のコミュニケーションです。
認知症になってからでは、確認できないことがたくさんあります。だからこそ、親が元気な今だからこそできる準備があります。
本章では、家族が将来後悔しないために、今日から始められることを考えてみましょう。
親の意思を尊重する姿勢を持つ
認知症への備えを考えるときには、つい家族側の都合で物事を考えてしまうことがあります。たとえば、「介護しやすいようにしたい」「手続きが楽になるようにしたい」「今のうちに整理してほしい」といった考えです。
もちろん、それらも大切です。しかし忘れてはいけないのは、人生の主役は親本人だということです。どんな介護を受けたいのか。どこで暮らしたいのか。どのような最期を迎えたいのか。
こうした希望を尊重することが、認知症への備えの基本になります。親世代の中には、「子どもに迷惑をかけたくない」という思いを強く持つ人も少なくありません。
その一方で、「最後まで自宅で暮らしたい」という願いを持っている人もいます。どちらが正しいということではありません。大切なのは、本人が何を望んでいるのかを知ることです。親の話に耳を傾けることが、すべての準備の出発点になります。
尚、一般的な傾向として、男性は自宅での介護を希望する割合が高く、女性の場合には介護施設への入居を希望される傾向が高いことも記憶しておきましょう。
少しずつ会話を始める
認知症や介護、相続といった話題は、多くの家庭で避けられがちです。理由は簡単です。重い話だからです。しかし、だからといって何も話さなければ、将来さらに大きな問題になります。
重要なのは、一度にすべてを話そうとしないことです。
たとえば、
- 実家の片付けの話
- 健康診断の話
- 介護保険の話
- 友人の介護体験の話
など、日常会話の延長として話題を出してみるのです。
実際、多くの親は突然、「相続の話をしよう」と言われると身構えます。しかし、「将来困らないように少し聞いておきたい」という形であれば、受け入れやすくなります。
認知症への備えは、家族会議というよりも、日々の小さな会話の積み重ねから始まるのです。
エンディングノートを活用する
認知症への備えとして、非常に有効なのがエンディングノートです。JT8でも詳しく解説しましたが、エンディングノートは亡くなった後のためだけに書くものではありません。
むしろ、「元気な今の意思を残すためのノート」と考えた方が分かりやすいでしょう。
たとえば、
- 預貯金の情報
- 保険の情報
- 医療や介護の希望
- 家族へのメッセージ
- 葬儀や供養の希望
などを記録できます。
認知症になると、本人の意思を確認することが難しくなる場合があります。しかし、エンディングノートがあれば、「親はこう考えていた」という大切な手掛かりになります。
また、書きながら、家族と会話をするきっかけにもなります。完璧に書く必要はありません。少しずつ書き足していくことで充分です。認知症対策と、人生の整理を同時に進められる優れた方法といえるでしょう。
認知症対策は人生の整理の一部と考える
認知症という言葉を聞くと、不安や恐怖を感じる人もいるかもしれません。しかし、本当に大切なのは認知症を恐れることではありません。人生の後半をどう生きるかを考えることです。
今回ご紹介しました内容は、
- お金の整理
- 介護の準備
- 住まいの見直し
- 医療の希望確認
- 家族との話し合い
などでした。
これらはすべて、認知症対策であると同時に人生整理そのものでもあります。 JT11「40代から始める生前整理とは?家族に迷惑をかけないための片付けと準備」で取り上げた生前整理や、 JT12「お墓と供養はどう考える?40代から知っておきたい選択肢と準備」で取り上げたお墓と供養の準備も同じです。
認知症対策は、人生の終わりを考えるためではありません。これからの人生を安心して生きるための準備なのです。40代は、親の老いと向き合い始める年代です。
同時に、自分自身の将来についても考え始める年代でもあります。だからこそ、親の認知症対策をきっかけに、自分自身の人生の整理についても、考えてみてはいかがでしょうか。
認知症への備えは、家族の未来を守るための優しい準備です。すべてを今すぐ進める必要はありません。しかし、何も始めなければ状況は変わることなく、不安が残ることになります。

まずは、親と話す時間を作ること、そして親の考えを知ることから始めてみましょう。その小さな一歩が、将来の後悔を減らし、家族全員の安心につながっていくのです。
万が一のときに、家族が慌てないためには、亡くなった後の手続きについても知っておくことが大切です。 「親が亡くなった後に必要な手続きとは?40代から知っておきたい家族の実務」も参考になります。
認知症への備えを理解しましたら、実際に認知症と診断された後の相談先や介護保険制度、住環境整備についても知っておきましょう。 JT15「親が認知症になっても慌てない!相談先・介護認定・住環境整備の進め方完全ガイド」が参考になります。
認知症への備えとして、判断能力が低下した後の財産管理について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。 JT29「成年後見制度とは?認知症になる前に知っておきたい財産管理の方法」
まとめ

親の認知症は、多くの人にとって、まだ先の話と思い込んでいたいかもしれません。しかし実際には、認知症への備えは、症状が出てから始めるものではなく、親が元気なうちに少しずつ進めておくものです。
認知症そのものを防ぐことは難しくても、認知症になった後の混乱や、家族の負担を減らすことはできます。そのためには、親の意思を知り、家族で情報を共有し、将来に備えることが大切になります。
今回ご紹介しました、5つのポイントを振り返ってみましょう。
- 認知症になる前の準備が、なぜ重要なのかを理解する。
- 預貯金や不動産など、財産状況を把握する。
- 介護や医療について、家族で話し合う。
- 住まいと、生活環境を見直す。
- 家族が後悔しないための準備を始める。
多くの人が、「まだ元気だから」「そのうち話そう」と考えます。
しかし、認知症への備えで最も避けたいのは、何も確認できないまま時間だけが過ぎてしまうことです。
親の判断能力が低下してからでは、「どんな介護を望んでいたのか」「財産はどこにあるのか」「どんな医療を受けたいのか」を確認することが難しくなる場合があります。
だからこそ、40代という比較的余裕のある時期に、準備を始める意味があります。今回のテーマは、本文中にリンク付きで紹介していますが、これまで本サイトで取り上げてきました内容とも深くつながっているのです。
介護への備えは、「40代から考えておきたい親の介護|慌てないために今できる5つの準備」。 住まいや実家の問題は、「親の介護が気になり始めたら|40代から始める実家の片付けと住まいの整理術」。
財産管理や相続の問題は「親が元気なうちに話しておきたいお金と相続の基本|家族が困らないための準備」。 意思を残す方法としては「エンディングノートとは?40代から始める人生整理の第一歩」。
そして、生前整理やお墓・供養の準備も、すべて同じ人生整理の延長線上にあります。認知症対策とは、単に介護の準備をすることではありません。親がこれからも安心して暮らし、自分たち家族も安心して支えられる環境を整えることです。
また、それは親だけの問題ではありません。親の姿を通して、自分自身の将来について考える機会でもあります。
40代から始める家族の備えは、人生の終わりを考えるためではなく、これから先の人生をより安心して生きるための準備です。
すぐに、大きな行動を起こす必要はありません。まずは親に電話をすること。実家へ顔を出すこと。そして何気ない会話の中で、「これから先のことを少し話してみない?」と声を掛けることから始めてみてください。
その小さな一歩が、将来の後悔を減らし、家族の安心を守る大きな備えになるはずです。
親の認知症への備えを考えることは、家族のこれからを整える大切な一歩です。
介護・相続・住まい・人生整理について、40代から少しずつ準備しておきたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
私自身も、起業や転職、失敗や挑戦を繰り返しながら、人生の後半を少しずつ整えてきました。このサイトでは、その経験や学びをもとに、人生後半を穏やかに充実させるヒントを発信しています。
この記事を書いた人
中山眞治
人生の後半を整えるアドバイザー
ファイナンシャル・プランナー(AFP)・終活カウンセラーなどの資格と人生経験をもとに、 40代以降の人生を「整えながら生きる」ための情報を発信しています。
プロフィールはこちら人生の後半は、遅すぎるのではなく、これから整えていける時間です。あなたらしい歩み方を見つけるヒントになれば幸いです。

